今季もいよいよ終盤戦の国内女子ツアー。今季2勝を挙げて、メルセデス・ランキング9位と大ブレークしたプロ2年目の吉田鈴のセッティングをクラブフィッターの吉川仁氏に解説してもらった。
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「特徴的なのがアイアンセットの組み方です。昨年までは6番からPWまで『Xフォージド STAR(2024)』で揃えていましたが、今年は7番からPWを『Xフォージド STAR(2026)』にして、6番アイアンだけ昨年と同じモデルを使っています。また6番アイアンのシャフトは『N.S.プロ850GH neo』にして、7番アイアンからは『N.S.プロ850GH』。6番と7番でヘッドとシャフトを微妙に変えているところにこだわりを感じます」
なぜ、6番アイアンと7番アイアンを同じシリーズの新旧モデルにしているのか?
「まずヘッドの性能としては2026年モデルの『Xフォージド STAR』の方が打球が上がりやすい。また素材をS20CからS15Cにしたことで打感が柔らかくなりました。基本的な性能は継承していますが、少し弾道が高くなっています。おそらく吉田選手は6番アイアンで、もう少し低い打球を打ちたかった。だから、あえて24年モデルを使っていると思います。シャフトを『neo』にしているのも同じ理由です。従来の『N.S.プロ850GH』に比べると、『neo』はしなりが抑えられたことで、中弾道系のショットが打ちやすい」
ドライバーと3本のフェアウェイウッドには最新モデルの『クアンタム』シリーズ。ウェッジも新作『Xフォージド』にしている。
「最近は単品ウェッジを3本入れている選手が多い中で、2本にしているのは珍しい。その2本のロフトが50度と58度なので、ロフトピッチは8度。ちなみにPWのロフトは43度。最近は4度、6度のロフトピッチにしている選手が多いので、吉田選手はかなりロフトピッチが大きいタイプです」
ロフトピッチを大きくする理由は?
「ウェッジを2本にしているのはアプローチに自信がある証拠です。さまざまな距離やライを2本のウェッジで攻略している。そのメリットとしては『上の番手』を厚くできることですね。吉田選手は6番アイアンと6番UTを両方入れています。この2本は距離ではなくて高さを打ち分けていると思います。高い球を打ちたいときはロフト27度の6番UT、低い球で狙いたいときはロフト26度の6番アイアン。ウェッジの本数を少なくするのは、そういう攻め方をするためだと感じさせます」
ちなみにシャフトに関してはどういう流れになっているのか?
「まずドライバーの『スピーダーNX バイオレット』は素直なしなり方をしつつ、少しつかまりが良いシャフト。フェアウェイウッドに入れている『ベンタス レッド』の特性にも近いです。ただし、UTの『ダイヤモンドスピーダーHB 7S』はかなりしっかりで、どちらかと言えば『棒』に近い。UTより下の番手に関しては飛ばすことよりも、しっかり狙うことを意識したシャフトになっています」
14本をキャロウェイで揃えたセッティングはシンプルに見えるが、吉川は「若い選手なのに、細かい部分にまでこだわりを感じる」と分析。そのこだわりが大活躍につながっている。
【吉田鈴のクラブセッティング】
1W:キャロウェイ クアンタム◆◆◆MAX プロトタイプ(9度/スピーダーNXバイオレット 40S)
3,5W:キャロウェイ クアンタムMAX(15,18度/ベンタスレッド5S)
7W:キャロウェイ クアンタムMAX(21度/ベンタスレッド6S)
5UT:キャロウェイ パラダイム(24度/ダイヤモンドスピーダーHB 7S)
6UT:キャロウェイ Aiスモーク(27度/ダイヤモンドスピーダーHB 7S)
6I:キャロウェイ Xフォージド STAR(N.S.プロ 850GH neo S)※2024年モデル
7I~PW:キャロウェイ Xフォージド STAR(N.S.プロ 850GH S)※2026年モデル
50、58度:キャロウェイ Xフォージド(N.S.プロ 850GH S)
PT:オデッセイ ホワイトホットOG ROSSIE
BALL:キャロウェイ クロムツアーX
■解説
吉川 仁
よしかわ・じん/大手シャフトメーカーでのフィッター経験を経て独立。現在は「4plus FITTING LABO」を主宰するカリスマフィッター
