アクシネットジャパンインクから、ダレルサーベイ調べの使用率速報が届いた。「タイトリストは、JLPGAメジャー『ソニー日本女子プロ選手権』でゴルフボール使用率No.1を獲得しました。PGAツアーをはじめ世界中のツアーで圧倒的な信頼を寄せられているタイトリスト ゴルフボール。支持の高さは今年の開幕戦から国内女子ツアーでも揺るがず、本メジャー大会でも最も多くのプレーヤーが勝つために『プロV1・プロV1x』のトータルパフォーマンスを信頼しました」と、同社広報。
出場132人中58人が「タイトリスト」で使用率は【44%】、2位メーカーが【24%】だった。今季開幕戦でも調査した時の51人より7人も増えた理由は、同社と契約外で使う多くの「スイッチ勢」も一因。なんと、今大会出場者の58人中7人が契約外で『プロV1・プロV1x』を選んでいた。
また、タイトリストを選んだ人のモデル内訳は『プロV1』26人、『プロV1x』32人と少し差があった。そして、厳しいメジャーの舞台で「なぜタイトリストのゴルフボールを選ぶのか?」、契約の有無に関係なく、選手に聞けるだけ聞いてみた。まずは、クラブもボールも契約フリーで今季2勝目を挙げたウー・チャイェン(プロV1x)だ。
「昔からずっとタイトリストで慣れているのもあるかもしれませんが、打感が良くて、それでいて距離もまあまあ飛んでくれる。これまで他のボールを打ったことがないから比較できないけど、ものすごく満足しているので替える必要がない。タイトリストのボールは信頼しているので」(ウー)
次は、今季待望の2勝目を挙げた永井花奈。ヤマハの撤退でクラブ契約フリーになり、ウッド等をガラッと替えたものの、ボール『プロV1』を軸に据えて好調をキープしている。
■永井花奈「バランスが良くプロV1がフェードに合う」
「バランスがいいところが気に入ってます。何かが欠けていたり変に突出していたりズレているポイントがない。どのクラブでも欲しいものを邪魔することなく、ほんと欠点がないところが良いなって。(クラブを)替えてもすぐに対応できる凄さもあるし、学生時代からタイトリストは使っていました。
2年くらい前、プロV1xからプロV1に替えました。フェードに変えてから球離れが少しゆっくりした方がいいなと思って、柔らかくて食いつきを感じるプロV1です。私はプロV1もプロV1xもそこまで差を感じず、毎回打ち比べたら分かるのかなとは思うけど、フェードに変えた時に不安要素がなくなって、食いつく感じがしたので使ってます」(永井)
同じくクラブ契約フリーで、今夏に何度も優勝争いを展開した、仲宗根澄香(プロV1)のボール観も聞いてみた。
■仲宗根澄香「目線にボールの高さが揃う安心感」
「スピンが適正な感じがするのが一番のお気に入り。特にグリーン周りのアプローチでかかり過ぎず、かからなさ過ぎずというのがフィーリングとマッチしています。使い慣れているのもありますけど、パターも出球のスピードがイメージ通り出てくれる。もう長いですね、10年くらい。シーズンによってプロV1xを使ったり、一度レフトダッシュも3カ月くらい使ったこともあります。それもすごく良かったんですけど、また戻したという感じです。
打感もそうですし、目線を切った時の球の高さが合うから、そこが一番ですかね。いいショットをした時はあまり気にならないんですけど、少し芯を外した時の出球の高さの違いにビックリする。そこも含めて、使い慣れていて、打った目線に飛ぶ球の飛び方などでバランスがいい(ツアー使用率が高い理由も分かる?)やっぱり平均値が高い印象。使用率が高いのはそういうところかなと感じています」(仲宗根)
また、クラブ契約フリーで「タイトリストのボールは2年目と少し」という、岡山絵里(プロV1)のボール観を聞こう。
■岡山絵里「スピンも入るし打感も柔らかい」
「柔らかい打感と、ある程度スピンが入るのが好きです。プロV1xを使った時期もあったんですけど、ちょっとしっかりめなので。タイトリストにしたのは風に強いし、スピンも入るし打感も柔らかいから。あと泥とかがちょっと付いてもあまり影響されないし、ミスしても大きいミスになりにくい。やっぱり性能面で一歩抜けていると思います。ボールはすごくプレーに影響を与える。私たちもミスショットもするし、天気によって影響を受けることもあるから、それをカバーしてくれる、助けてくれるのがタイトリストかな」(岡山)
また、今季2年ぶりの勝利を挙げたイ ミニョン(プロV1)は、クラブ契約フリーでありながらも、パター以外の全クラブがタイトリスト製。そのボール観は、海外のジュニアには当然なのか、ウー・チャイェンと共通するシンプルな考えだ。
■イ ミニョン「他を試す必要がない」
「小学生からずっとタイトリストなので信頼が1番大きいですね。特徴は打感の柔らかさなので、スピンコントロールがしやすいし、特にショートゲーム、パターで打つ時に安定している。私はタッチが強く入ってしまうクセがあるので、それをボールが助けてくれる。それもボールへの信頼だと思う。使用率No.1だし、すごくいいボールなので、他を試す必要がないです」(イ ミニョン)
クラブ契約フリーで、ツアーで最も身長が小さい、「146cm」の大須賀望(プロV1x)もこう言う。
「元々球が低くてスピン量も少なかった。それをプロV1xとプロV1で測定した時にフルショットはあまり変わらなかったけど、中途半端な距離、パー5の3打目の60~70ヤードで1000回転くらい多かったのでプロV1xにしました。(契約は)今年から。まだスイングとかも変えているけど、前のボールよりも飛距離も上がりましたし、球が低かったけど高さも出るようになった。それまで道具に疎かったんですけど【ボールを替えるだけでこんなに変わるんだ】と思いました」(大須賀)
ところで、PINGはここ十数年以上、ロボットテストもヒューマンテストも試作品の評価を『プロV1x』で行い、クラブ開発の基準にしている。その影響もあるのか、PING契約選手は特に『プロV1・プロV1x』の使用者が多い。そして、鈴木愛(プロV1x)もジュニア時代からさすがのボール観だ。
■鈴木愛「パターの感覚が染み付いている」
「PINGさんに変えた頃、最初はボール契約を決めてなかった。何個か試してタイトリストがクラブとの相性も含めて一番良かった。プロV1とプロV1xでは、自分の中でハッキリと差があってプロV1xにしました。対抗戦など一緒に回る選手がタイトリストのボールじゃない場合、どちらを選ぶかとなると、私はパターが入らないと勝負にならない。パターの感覚が他のボールだと柔らかすぎて届かない気がして強くヒットしてしまう。少し硬めではあるけど、しっかりスピンが入るのがタイトリストのいい所。パターの感覚が慣れているので離れられないですね。私はパターがメインなので。
(ショット面については)打感がちょっと硬いけどしっかりスピンが入るし、低い球も高い球も打ちやすい。ボール自体がすごく曲がりにくいので、操作はできるけど大きく曲がらない。女子ツアーだと、ボールを曲げにいくコースよりも、点で狙うコースが多い。風に影響されづらいから点で打ちやすいし、ラフやバンカーから打った時、フェアウェイもですけど、スピンの入り方が圧倒的に違う。ファーストバウンドが全然違う。音がまったく違うから、『(スピンが)入ってるな』というのが自分で分かるくらい」(鈴木)
鈴木とほぼ同様の“原体験”を明かすのが、同じくPING契約の宮澤美咲(プロV1)。
「ジュニアの時は違うメーカーのボールを使っていたんですが、PINGのクラブを使うようになって、その時に試打したらタイトリストが1番良かった。それ以来ずっとタイトリストで、他を試そうと思ったこともありません。やっぱり打感のやわらかさが1番で、思った通りの球が出る」(宮澤)
鈴木、宮澤と同様に、PING契約の髙野愛姫(プロV1)も、ジュニア時代の“原体験”を明かす。
■髙野愛姫「パットの打感がプロV1のほうが好き」
「自分が芯を外した時、普通は距離が落ちると思うんですけど、思ったよりも当たり損ねをカバーしてくれる所が私は好き。スピンの入り方が打った感覚とマッチしてる所も好きです。PINGとモニター契約した時なので中3(15歳)から使い始めて今21歳なので6、7年くらいずっと使ってます。元々PINGがクラブ提供してくれるタイミングで【PINGだとタイトリストを使ってる選手が多いよ】って(教わったのがきっかけ)。他のボールに替えようと思ったこともないし、今のボールがすごく好き。
(ずっとプロV1?)去年、一瞬、自分のスピン量が少なくてプロV1xに替えたりしたけど、打感がプロV1の方が好きですね。スピンは自分の問題なので自分が頑張ったり、工夫したりして、そこからプロV1です。パターの時の感覚なんですけど、プロV1xは少し硬めなので弾いちゃう、離れてしまう感覚がある。プロV1だとそれがない。ショットはそこまで大きな違いは感じないんですけど、パッティングの時の球離れの手に伝わってくる感覚がプロV1の方が好きですね」(髙野)
また、同じくPING契約の佐久間朱莉も『プロV1x』で今季2勝を挙げている。
■佐久間朱莉「1Wのスピン量が安定する」
「私はドライバーのスピン量が安定してくれるところが一番好きです。傾向的に(スピン量が)増えすぎてしまうタイプなんですけど、いい数値に出てくれるのもあって、雨の日でも滑らなくなるから、そこが好きで使ってます。プロV1xにしたのは1年くらいで、パターのタッチが出しやすいです」(佐久間)
PING以外のクラブメーカー契約の選手にも聞かねばなるまい。今季初優勝した、ヨネックス契約の倉林紅(プロV1x)のボール観も聞いてみよう。
■倉林紅「100yd以内の止まり方が全然違う」
「100y以内のスピンの入り方やタテ距離の安定感が気に入っていて、プロになる1年前からずっとこのボールを使っています。プロの難しいセッティングでは、スピンをかけなくちゃいけない場面が多く、そこで止まってくれたり、あとはパー5での100yd以内の止まり方も全然違うので、すごくいいなと思う。
初優勝にも貢献してくれました。緊張した場面でも思い通りになる信頼感もあるし、ヘッドとの相性が良かったのか飛距離もちょっと伸びた。スピン量が安定するようになって、ドライバーも5ydくらい伸びました。タテ距離も本当に安定しているなと感じています」(倉林)
最後に、グローブライド契約の小林光希(プロV1x)の声も聞こう。「打感が好きです。柔らかくて、乗ってくれる感じがします。高校生から使っていてスピン量ですかね。その時は止まるとかそういうのを求めていて替えました。(使い始めて)9年経ちますが、最初はプロV1から入った気がします。もう替えられないです。最高です」(小林)
海外含め、メジャー大会の度に「使用率No.1」のツアー情報を強調するタイトリスト。ほぼ毎回同じ結果(1位)のため「つまらないニュース」と感じる人も多いはずだが、同社が「そこまで言うなら、選手に生の本音を聞いてほしい」と言った意味がよく分かった。今後も契約の有無に関係なく、選手に聞けば聞くほど「信頼」の言葉しか出てこない結果となりそうだ。
