国内男子ツアーのメジャー初戦で、圧倒的な存在感を放っていたシャフトがある。グラファイトデザインの“新世代のニュートラル”こと『TOUR AD GC(以下、GC)』だ。直近の男子ツアーで堀川未来夢(PARADYM♢♢♢)、藤本佳則(GT3)、そして先日のメジャー大会を制した細野勇策(G440 LST)と、なんと『GC』使用者が3連勝を達成。
優勝者だけではない。ラフが深くてフェアウェイの狭いタフな「日本プロ」のメジャーセッティングで、2位タイの木下稜介(ROUGE ST MAX LS)、7位タイの古川龍之介(QUANTUM♢♢♢)、同じく7位タイの藤本佳則(GT3)と、『GC』ユーザーが優勝争いを展開。グラファイトデザインのツアー担当・高橋雅也氏に、強さの秘密と現場でのリアルな評価を直撃した。
■先~中間の“太さ”がもたらす最新ヘッドとの相性
「なぜこれほど『GC』が急に、コンパクトな期間で大活躍したのか?」という問いに対し、高橋氏はシャフトの「芯金の形状の変化が最新ヘッドに合うこと」を一番の理由に挙げた。
「今までの形状から、マンドレル(芯金)を太めにして、先端~中間部分をしっかりとした芯太設計に少し変えたんです。それが近年の大型・高慣性モーメントのヘッドにうまくマッチしているのではないか、と考えています」(高橋氏)
これまで同社のツアーシーンを席巻していたのは『DI』や『PT』といった往年の名器だったが、最新ヘッドに対して「動きは感じるけど暴れない」「叩いても左に行かないけど右にも抜けない」といった安心感を『GC』の新たな芯太設計がもたらしているという。
実際に、長く『PT』を愛用していた堀川未来夢が最新ヘッドとの組み合わせに悩んだ際、選手仲間から「最新のヘッドには最新のシャフトがいいのでは」との助言を得て『GC』にシフトし、好結果を出しているのだとか。
■フェーダーとの好相性と、適度に動くコントロール性
フェード一辺倒で見事な復活優勝を遂げた藤本佳則、そして安定したショットが武器のレフティ・細野勇策。この連勝の顔ぶれについて高橋氏は「二人ともしっかりと振っていくタイプのフェーダーであること」は共通点として認める。
「思い切り振ってもそれなりに遅れることもなく、逆に走りすぎることもない。自分のイメージ通りに動いてくれる安心感があるのだと思います。元々うちのシャフトはフィーリングを第一に考えて作っていますが、動くとは言ってもヘッドの位置が分かりやすく、コントロール性が高いのが特徴です。
藤本プロも松山英樹プロと似て昔から重めで『DI』など少し動くものを好む印象で『GC-7』に落ち着きフェード一辺倒で復活しました。みな少し動きがあってつかまるけど、イメージ通りにコントロールしやすいと感じていると思いますが、メジャーでここまで上位に揃う理由は我々が教えて欲しいくらい」
また、細野に関しては、以前使用していた『VENTUS』から、アイアン(同社のADアイアンを使用)の流れに合わせる形で1Wも『GC』へ移行。すでに使用3年目を迎え、PINGのウッド全てに採用して昨年終盤から今季の好調に繋げているとか。
■街の飛ばし屋フィッターも間口の広さを実感
と、ここまではトッププロの話だが、発売から2年近くを経て『GC』は一般ゴルファーにどう評価されているのか。シャフトに詳しくヘッドスピードの速い「4Plus Fitting Labo」のフィッター・長谷川ケント氏はこう言う。
「ベンタスには多くの種類や硬さがあるため一概には言えませんが、マキロイ選手やシェフラー選手だけでなく日本の男子プロにも人気の『ベンタスブラック』は基本的に硬いです。そう感じた方が『GC』を打つと程よいしなりを感じてタイミングが取りやすいと感じる方が多く、両シャフトとも先端部分の強さ(硬さ)は共通ですね。
『GC』の振り感はクセのないしなりで誰にでも合いやすいと思いますが、特に感じるのが現代の慣性モーメントが大きいヘッドを挿したときの無駄のない挙動ですね。プレッシャーのかかった場面でも振り切れる強さや、信頼感があるというか。今回のメジャー上位でそういうところが証明されているなと感じました」(長谷川氏)
ティショットの正確性が何より求められたメジャー大会だから「GC祭り」になったのか、それとも3連勝と、使用者が多いだけに快進撃が今後も続くのか。今週の「〜全英への道〜ミズノオープン」でも『GC』使用者に注目してみたい。
