<全英オープン 最終日◇19日◇ロイヤル・バークデールゴルフクラブ(イングランド)◇7223ヤード・パー70>
メジャー大会のサンデーバックナインは何かが起こる。今年の「全英オープン」も日曜の夕方は大歓声と悲鳴にあふれた。最終組の2時間15分前にスタートしたキャメロン・ヤング(米国)が「64」をマークしてクラブハウスリーダーで後続を待つなか、終盤のホールでは上位選手たちによる懸命な追い上げが繰り広げられた。
その一人が前年覇者のスコッティ・シェフラー(米国)だ。首位と6打差からティオフすると、スタートから連続バーディ。5番でも伸ばして、一気に上位をとらえた。中盤はパーを6つ並べて12番でもバーディ。この時点でトータル7アンダー。二桁アンダーに乗っては落ちるトップのスコアを追う展開となったが、直後の13番でボギーをたたき、15番でもボギー。16番でバーディを奪い返したものの、連覇は遠のいたかに見えた。
続く17番パー5はバーディとして意地を見せたが、このバーディには疑問の声もあがった。スコアを伸ばしたい場面で、ティショットはフェアウェイ左サイドのバンカーをわずかに避けたが、極端な左足上がりのライ。ピンまで残り294ヤードの2打目。ウッドを鋭く振り抜いたが、無情にもボールは前方の丘にあたり左方向へ飛んだ。その時点でボールの行方は確認できず、暫定球を打つはめになる。
その後、2打目がグリーン左手前にある巨大な施設物の敷地内に入り込んだことが確認されたとし、競技委員の指示のもと無罰の救済を受けて左ラフの97ヤード地点にドロップ。3打目を奥3メートルに乗せると、これを沈めてなんとか踏みとどまった。
だがこの処置については地元放送局、SNSでも議論が巻き起こった。要約すれば、「ボールが見つかっていないのに、なぜ無罰のドロップなのか」と。確かにシェフラーは2打目の行方を確認しておらず、途中でボール探しもやめてしまった。
ただし、これは競技委員の指示に従ったもので、施設敷地内は『動かせない障害物』として処理された。「今年、前にも同じことがあったので、捜索をやめてもらった。誇りに思うことではないけど、(ルールは)知ってはいたこと」とシェフラーは振り返る。
大勢のギャラリーを引き連れるシェフラー。これが大観衆のなかなら捜索のすえに見つかることもあるだろうが、不運にも一般客のいない施設敷地内ということで、ボールの行方を捜すギャラリーはいない。フリードロップ対象の敷地内に入ったとの情報をもとに行われたこの処置については一考の余地があるとも思われるが、あくまでもルールにのっとったものだった。
結果的にこのバーディで、すでにホールアウトしていたヤングに1打差と迫った。最終18番パー4でバーディを奪えばプレーオフの可能性も残しながら、セカンドショットをグリーン右に外し、パターを使った3打目が入らずに終戦となった。
今季はメジャー未勝利。このあとのプレーオフシリーズ3戦に向かうことになる。「今週はよく戦ったと思う」。4位タイという結果をもって、世界ランキング1位のシーズンは、いよいよクライマックスに入っていく。
