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日本女子オープン制覇で思いが加速 原英莉花が米国挑戦目前に語った「覚悟」

原英莉花がついに米国挑戦。QTセカンドステージ出場を前に、意気込みを語った。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年10月16日 10時03分

<LPGA Qスクール(予選会)ステージ2 事前情報◇15日◇プランテーションG&CC(米フロリダ州)>

いよいよ、原英莉花が米国ツアーへの一歩目を踏み出す。長年、思い描いてきた海外挑戦を目の前に控えても、「いつもと変わらない気持ちです。ゴルフをするだけ。気負うのも違うと思うし、ベストを尽くせるように下準備をしたい」と高ぶりを抑え込む必要もないほど、落ち着いている。

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現地入りは13日。土曜日からすぐに会場で練習ラウンドに入った。今回は2つのコースを使用。14日(土)にボブキャット・コース、そして15日(日)にはパンサー・コースを18ホールプレーした。ボブキャットのほうがトリッキーな場所が多く、パンサーは比較的シンプルという話が選手からは聞こえてくることが多い。

しかし15日は、かぶっていたバケットハットを、飛ばされぬよう何度も手で押さえないといけないほどの強風のなかプレー。それだけに、「どっちもグリーンは目が強くて、ライン読みは難しい。昨日(14日)は風が無くて、きょうは強かったので難易度はそこまで変わらなかったですね」と、大きな差を感じることはなかった。「短いクラブで打てるところで伸ばしていくことができれば。フラットにゴルフをしていきたいですね」。メリハリをつけたプレーを心がけていくことが共通した考え方になる。

「子どものころから世界は憧れでした」。胸に秘めてきたこんな気持ちを実現するため、将来的な米国挑戦への意思を公言したのは2021年シーズンの開幕前だった。しかし、そこからは腰痛や不振もたたり、なかなか前に進めなかった。さらに『定められた時期に世界ランク75位以内にいれば、最終予選会(Qシリーズ)から出場できる』というルールを利用することが前提だったため、それも決断できない理由になっていた。

そんな方針を変えたのは今年に入ってから。「意欲はあるのにもどかしくやってるよりも、挑戦しよう」という思いが勝ち、いまはステージ2が行われる会場に立っている。今年5月には長年苦しめられた腰のヘルニアの摘出手術を受けたが、その困難も原の決意を揺るがすことはなかった。それどころか「むしろ(挑戦したい)気持ちが強くなった」と話すほどだ。早々に8月にはエントリーも完了させた。

今月には福井で行われた「日本女子オープン」で大会2勝目を挙げたが、8月に復帰してから、わずか8試合目での勝利にも勇気づけられる。「やってきたことが間違いじゃないと思えた。それで挑戦したい、挑戦するんだという気持ちがまた強くなった。決意というか、ちょっとした覚悟になりました」。その背中をさらに力強く押す大きなできごとになった。「日本にいると自分のことを『マイペースだな』と思うんですけど、アメリカだと『そんなことないかもな~』って思えますね」。ゆったりとした雰囲気も、やはり肌に合う。

コースでは、自身の状態の良さや、「ラフや、バンカー、池に絡む距離ではなかった」という部分も踏まえ、積極的にドライバーを握り、美しい軌道のフェードボールを何度も繰り出していた。グリーン上、そしてグリーン周りは入念にチェック。「いろいろな芝が生えていて、場所によって打ち方も変わってくる」と、警戒ポイントを頭、体に叩き込んだ。開幕前日はラウンドはせず、練習のみで本番に備える予定を組んでいる。

「できることをやるだけ。うまくいかない時にどうするか、ということにも向き合いながら。ある意味では自分に期待しながら、期待していない部分もある。なので、まずは結果ではなくて自分ができることをしていかないと。ミスを受け入れる態勢もできているので、しっかりスコアを作っていきたいと思います」

こんな「覚悟」を抱きながらも、何より大事にするのが「楽しむ」ことだという。これは日本女子オープンの時にも掲げていただけに、今の原にとっての“標語”ともいえそうだ。「明るくなったら起きて、暗くなったら寝る。暗くなると眠くなりますね(笑)」。多くの人が悩まされる時差ボケも問題なしを強調した。まずは11月30日からアラバマ州で始まるQシリーズ(最終予選)を戦うためにも、余計な肩の力を抜き、マイペースで進んでいく。(文・間宮輝憲)

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