<アムンディ・エビアン選手権 事前情報◇7日◇エビアン・リゾートGC(フランス)◇6479ヤード・パー71>
出場した3試合すべてで予選落ちした6月のことを思い出すと、原英莉花の表情は少しだけ曇った。初めてのエビアンについては「雰囲気も含めアメリカとは違う感じですごい楽しみです」と話すが、行動はいつもと変わらずコースとホテルの往復のみ。街並みを楽しむこともない。ルーキーシーズンも折り返しを迎え、7月を“勝負の月”に位置づけている。
現在ツアーのポイントランキングは50位で、来季シード権(カテゴリー1)が得られる80位以内はしっかりと維持している。だが、その胸中は「苦しい」と明かす。
「5月も自分のなかでしっくりこないなか成績はなんとか繋ぎとめていた。全米(予選会のプレーオフで敗退した全米女子オープン)に出られず、そこからバタバタと気持ちも下がって、成績も予選落ちが続いた。苦しいけど、それでも前向きに、と思ってやっています」
2018年に国内ツアーに本格参戦し、同年にはプロテストに合格。プロ生活は9年目になるが、やはり“ルーキー”として迎える米ツアーは少しばかり勝手も違う。「4日間大会ばかりで、移動して練習ラウンド。うまく調整するのが難しい。移動も長いし、脳みそと体力が…」。昨年は米下部のエプソン・ツアーを戦い抜いたが、負担は大きく変わった。
2週前の「KPMG全米女子プロ選手権」後のオープンウィークは、「帰れても4日間くらだし、時差とかできつくなる」と、そのまま米国に滞在。調整の時間などに充てた。そして日曜日にはフランス入りし、精力的にコースでプレーしている。
狭いコースで、気がかりなのはドライバー。ヘッドを替えたタイミングで替えたシャフトの挿し方や、ずっと2重に巻いてきたグリップが3重になっていることが違和感につながっている。「ランが出ると難しいのでキャリーで置かないといけない。精度が大事。邪魔なところにバンカーがあったり、ティショットから神経を使いますね」。そう話すコースだけに、ドライバーの不安は払しょくしておきたい。
火曜日の夜には日本から、現在使っているのと同じモデルの『ベンタスブルー(50S)』の別の個体が届く。「ティショットの感覚が悪すぎて修正中。ヒールにしか当たらない」という打開策を、その1本に託す。グリップも“元に戻って”いる1本を開幕前日の8日にテストし、そのままゴーサインを出すのが理想的な流れだ。またパッティングも気持ち悪さが続いており、練習グリーンには、新たなパターを携えるなど試行錯誤を続けている。
“奇跡的な優勝劇”が演じられた昨年大会のことは、強く印象に残っている。最終18番でイーグルを奪い、土壇場でトップに並んだグレース・キム(オーストラリア)が、ジーノ・ティティクル(タイ)とのプレーオフへ。18番で行われた1ホール目で、2打目を池に落としながら、ドロップ後の第4打がそのままカップインすると、2ホール目には3つ目のイーグルを奪い勝利した大会だ。
「最終ホールがすごくて、そこに自分が立ったときに思い浮かびました。そういうことはあまりないんですけど、この最終ホールで、私も最終日にいい戦いをしたいと思った。そこに向けて頑張りたい」
4月の「シェブロン選手権」(38位)、そして6月の全米女子プロに続き、原にとって今季3試合目のメジャー大会。「7月はしっかりと成績を出したい。ヨーロッパを楽しみたいですね」。風光明媚な街で、上昇気流につながる“劇的な結果”を目指していく。(文・間宮輝憲)
