<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇1日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6690ヤード・パー72>
小祝さくらと激しいデッドヒートを繰り広げ、最後の最後に3メートルのバーディパットを沈めて今季4勝目を飾った佐久間朱莉。9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」で3勝目を挙げた際と同じ14本を使ったものの、今回、実は少しだけ違いがあった。
会場となった武蔵丘ゴルフコースは地元・埼玉のよく知るコース。程よくアップダウンが展開する18ホールで、佐久間にはある作戦があった。その一つが、パー5での2オン狙い。スコアを稼ぐホールで活躍を期待したのが、2打目で使う機会が多い3番ウッド(スプーン)だった。ピンの『G430 MAX』を使ってきたが、今大会ではロフト角を1度立てて臨んだ。
「スプーンは、先週、悪くないけど、もうちょっと前に行けると思ったので。今週は特にパー5のセカンドで2オンを狙えるホールがあるので、もうちょっと飛んだら展開が楽になるんじゃないかなと練習ラウンドで話していた。その調整が上手くいったかなと思います」
コースを知ったうえで考えた末に攻撃力のアップを図り、これが見事に成功した。この調整により5ヤード伸びたと明かした佐久間。パー5では3日間で7バーディを奪い、スコアメークの基礎を築いて優勝につなげた。
もう1本、“1度の調整”をしたのが5番ユーティリティ(UT)。「先週、少しUTが左に行く傾向があったので、鉛を貼ってもらったら良くなった」と、こちらはロフト角調整と鉛でミス防止策を図った。ロフト角を立てると一般的には飛距離が伸びるが、左へのミスを嫌い、鉛で調整したことによって「ちょっと飛ばなくなるようにした」と、こちらは方向性重視を目論んだというこだわりだ。
アイアンは今シーズンからピンのマッスルバック『BLUEPRINT T』を使用する。一見難しそうだが、ピン担当者によれば「アイアンの精度を上げるため、マッスルバックを使い始めました。慣れてきたら、その操作性の高さもあって、『使いやすい』となって投入しました」とショットの安定性も好調キープの要因のようだ。
小技については、今年成長を感じている部分で、ウェッジにも佐久間らしさが見られる。3本入っているウェッジも、50度、54度はソールを削っている跡が見られる。「自分の思ったフェースに当たる瞬間の感じが、ちょっと削った時の方がイメージを出しやすい」というのが理由。細部にまでこだわり、ショートゲームでウェッジを駆使している。
「ゴルフに対する考え方も、前より細かくなった。クラブのこともそう。ひとつひとつを細かく考えれるようになったと思います」。前週の初日から続いた連続ノーボギーホールの記録は114まで伸び、山下美夢有が持つ113を抜いて歴代1位を更新。昨年と同じ4勝ながら、技術の研鑽に励み、道具にもこだわる佐久間の進化はまだまだ続きそうだ。
【佐久間朱莉の優勝セッティング】
1W:ピン G440 LST(10.2度 レジオフォーミュラMB+S55)
3W:ピン G430 MAX(15度 レジオフォーミュラMB+S55)
7W:ピン G430 MAX(21度 レジオフォーミュラMB+S65)
5U:ピン G430(26度 N.S.PRO MODUS3 HYBRID HL 370)
4I:ピン i240(N.S.PRO MODUS3 HYBRID HL 370)
6I~W:ピン BLUEPRINT T(N.S.PRO プロトタイプ)
50,54,58度:ピン S259(N.S.PRO プロトタイプ)
PT:ピン SCOTTSDALE B63
BALL:タイトリスト プロ V1x
GRIP:イオミック スティッキーアーミー1.8
