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岩井明愛・千怜ツインズが最終日最終組入りに「忘れられない日」 父の日V逃すも…新たに掲げた姉妹での夢

史上初の姉妹最終日最終組が実現。優勝とはならなかったが、またひとつ、新たな夢もできた一日だった。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2023年6月19日 08時33分

最終日最終組で一緒に回った岩井明愛(右)と千怜(左)のツインズ
最終日最終組で一緒に回った岩井明愛(右)と千怜(左)のツインズ (撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 最終日◇18日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>

ツアー史上初の姉妹での最終日最終組を実現させた双子の岩井姉妹だったが、ともに優勝はならず。姉の明愛がトータル14アンダーの単独2位、妹の千怜がトータル12アンダーの3位タイでフィニッシュした。それでも、ふたりにとっては思い描いてきた夢が実現した一日。次は海外メジャーでも「姉妹で優勝争いを」と新たな夢を掲げた。

5月の「RKB×三井松島レディス」では山下美夢有と岩井姉妹による3人でのプレーオフで千怜が優勝。今回は同じ3人が最終日最終組に顔を揃え、山下が大会を制した。「夢のような時間で、一緒に回れてうれしかった」(千怜)、「今日一日はすごく楽しかった。忘れられない日になりました」(明愛)とよろこびを口にした一方で、女王の強さには脱帽だった。

6打差を追った千怜は「美夢有さんは隙がないプレーで、この人にどうやったら勝てるんだろうと思いながらラウンドしていました。まずは2日目までにもっと差を詰めていないといけないですね」と感服。2日目にコースレコードタイの「62」をマークした明愛は「今日も10アンダーぐらい出さないと勝てない試合。それほど美夢有さんはすごい選手なので」と話した。

それでも、ふたりにはそれぞれハイライトがあった。千怜は8番からの4連続バーディーで、一時は山下との差を3打にまで縮めた。一方の明愛は8番パー4での“片手”でのチップインという離れ業だ。

3打目はグリーン周りのラフからだったが、バンカーのフチで通常のスタンスは取れない状況。「思いついたのはバンカーに足を入れて、短く打つか、片手打ちかだったんですけど、どっちが確率が高いかなと考えたときに片手打ちでした」。左腕一本での素振りも何度かしたが、すぐに断念。右腕一本を選択し「14ヤードぐらいだったので、6ヤードのキャリーであとは転がってくれたらな」というイメージ通りのアプローチで、ピンチを覆すバーディーを奪った。ギャラリーを沸かせたという意味では、この日一番のプレーだったはずだ。

姉妹対決を見守った父・雄士さんは「山下さんが圧倒的で、ふたりのどちらにも勝ってほしいみたいな悩みはありませんでした。そういう天下だったじゃないですか。父の日に限らず、ふたりにはいつも楽しませてもらっているので、私もいつも通りに観戦していました」。父の日に優勝をプレゼントしたかったという思いは、十分に伝わっていたのだろう。

姉妹は今後「全米女子オープン」、「AIG女子オープン」(全英)と海外メジャーにも揃って参戦する。「そこでもふたりで優勝争いをして一緒の組で回ってみたいです。ふたりで戦えるのがすごくうれしくて、ふたりで世界で活躍できるようにという気持ちです」(千怜)。ハードルは国内での活躍以上に高いが、今の岩井姉妹には新たな夢もすぐに実現させてしまいそうな勢いがある。(文・田中宏治)

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