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選手にとって特別な“宮里藍”の冠大会 目指すは20アンダー…コース状況に異変あり?【大西翔太のSHOWTIME】

「宮里藍 サントリーレディス」の展望を大西翔太氏が占う。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年6月12日 07時30分

(左から)菅楓華、大里桃子、小祝さくら
(左から)菅楓華、大里桃子、小祝さくら (撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 初日◇12日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6558ヤード・パー72>

国内女子ツアー今季第13戦の舞台は兵庫県。元世界ランク1位で日米通算25勝を誇る宮里藍の冠大会が行われる。もちろん優勝の行方も気になるところだが、今週の結果により今年の「AIG女子オープン」(全英女子、7月31日~8月3日、ウェールズ/ロイヤル・ポースコールGC)の出場者も決定。そこも大きな見どころになりそうだ。そんな4日間の展望を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が占う。

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■降り続く雨…キャリーが大事になりそう

まだ大会名が「We Love KOBE サントリーレディスオープン」だった2006年大会から使用されるのが、今週の開催コースとなる六甲国際ゴルフ倶楽部。ただ、例年とは少し雰囲気が異なりそうだ。

「キャリーでボールが止まりますね。グリーンだけでなく、フェアウェイも同じ状況。キャリー勝負になります」。梅雨時期らしく、開幕前には大雨が降り続いたこともあり、やはりそういうコンディションになるのは避けられない。また、本戦期間中も雨予報が出されており、ここがひとつのジャッジを求められる部分になりそうだ。

ここ4年間の優勝者だけを見ても青木瀬令奈(21年)、山下美夢有(22年)、岩井千怜(23年)、大里桃子(24年)とショットメーカーがそろっているが、キャリー勝負となると、その状況が大きく変わる可能性も。「去年の優勝スコアは12アンダーでしたが、風はあまり吹かない予報もあって、今年は一日5アンダー、トータル20アンダーくらいを目指さないといけないでしょう」。そんな伸ばし合いを予想する。

開幕前日には雨の中プロアマが行われたが、その時もフェアウェイの傾斜下などで水が浮いているところもあった。「2段グリーンも多いですし、そこも大事になってきますね」。狙いどころは、より狭くなりそうだ。

■『神戸から、世界へ』がコンセプト

その状況を踏まえ、大西氏が“本命”に推すのは小祝さくら。「ここ最近の球の伸びは、好調の証し。雰囲気や立ち振る舞いを見ても状態は良さそうですね。普通にやれば優勝争いに加わるでしょう」。今季は未勝利ながら、直近6試合で4度のトップ10入り。その安定感は健在だ。

さらに、プロ2年目・菅楓華の名前も挙がる。開幕から2戦連続2位になり、予選落ちは1試合あるものの、高い位置で飛行を続けている。先週も6位。「キャリーが出て飛んでいます。初優勝に向け、再びエンジンがかかってきそうです。心技体が整っていますね」。現在のメルセデス・ランキング(MR)は3位で、今週の上位2名に入れなくても、大会終了後にこの位置をキープすることで全英出場権も手に入る。やはり期待がかかるひとりだ。

そしてもうひとりが、ディフェンディングチャンピオンの大里桃子。「KKT杯バンテリンレディス」、「パナソニックオープン」で連続2位のあとは、予選落ちも2度ある状態だが、「このコースは印象がいいと話していました」という。「優勝したコースは特別です」と、連覇もあり得ると読む。今大会は『神戸から、世界へ』をコンセプトに、日本のみならず海外からのアマチュア選手も多数参加。そのなかで、ワールドクラスの“魅せるプレー”も楽しむ要素になる。

ただ、大西氏が何よりも大きいと語る要素がある。「“宮里藍”という名前がつく大会で勝ちたい、という選手たちの思いは強いはずです。それはメジャーに近いものかもしれません。藍さんが今の女子ゴルフ界の地盤を作ったひとりであるのは、間違いない。その目の前で、いいプレーをしたいと思う選手は多いはずです」。表彰式でその宮里からトロフィーを手渡されるのは、いったい誰になるのだろうか?

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツへと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。また現在、安田祐香の指導にもあたっている。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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