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午後組の金谷拓実に感銘「5時30分から練習してて驚きました」 大学1年生が感じたプロの凄さと“宿題”

ツアー初出場を果たした19歳が得たものとは。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2025年9月24日 18時01分

進藤キャディ(右)と2日間を戦った川口史。貴重な経験を今後のゴルフ人生に生かしていく
進藤キャディ(右)と2日間を戦った川口史。貴重な経験を今後のゴルフ人生に生かしていく (撮影:ALBA)

<ANAオープン 最終日◇21日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

国内男子ツアー「ANAオープン」に出場した法政大学1年のアマチュア、川口史(かわぐち・ふみと)は「75」「76」と2日間トータル7オーバー・112位タイで予選落ち。初めて出場したプロトーナメントで、将来プロゴルファーとして活躍するための“宿題”をたくさん持って帰った。

【写真】松山英樹の米ツアー連覇を支えた進藤氏

昨年11月、松山英樹や片山晋呉、谷原秀人らのキャディを務めてきた進藤大典が主宰する「進藤大典ジュニアトーナメント」の高校生の部で優勝した川口は、優勝副賞としてANAオープンの出場権を獲得。しかも、進藤自らがバッグを担ぐという特典付きだ。

千葉黎明高校から法政大学に進学し、2024年の「全国高等学校ゴルフ選手権団体の部」、いわゆる“緑の甲子園”で初の日本一獲得に貢献。大学ゴルフ部で腕を磨きながら、今年は「関東アマ」9位タイ、「日本アマ」33位タイなどの成績を残している。

進藤キャディと二人三脚で憧れの舞台に挑んだが、ツアーの壁は想像以上に高かった。「この大会に向けて仕上げてきましたし、練習ラウンドでもすごく調子が良かった。正直、ちょっとなめていました。予選通過は大丈夫だろう、と」。

スタートの1番や18番ホールにはギャラリースタンドが設置され、周囲にはテレビで見るトッププロがたくさんいる。普段の競技とは雰囲気が異なる中で「思ったより緊張はしなかったのですが、うまく体が動かなかったですし、いつも通りに攻められなかったです」。初日の前半のインコースは2バーディ・2ボギーで折り返したが、残りの27ホールで7オーバーという結果になった。

「予選カットラインをずっと気にしていました。アマチュアの試合と違って、アンダーカットなんです」。バーディを獲らないと予選通過はできないが、攻めすぎてボギーを叩くと取り返すのに苦労する。「落としたくないという気持ちが働いて、怖がっていた部分がありました。もっと勇気をもって打ったら良かった、という後悔はあります」。

それでも、多くのことを学んだ。「進藤さんには練習ラウンドのやり方を教えてもらいましたし、ロングパットやショートゲームの対策はしていたので、それは良かったです。それから朝早いスタートの時は芝が濡れていて飛ばないとか勉強になりました」と、今後のゴルフ人生で生かせることばかりだった。

また、日本のトッププロの行動や練習を観察できたことも貴重な経験だ。「一番印象に残っているのは、金谷(拓実)さんです」。初日、川口のスタート時間は午前7時5分。「僕は5時45分頃から練習を始めたのですが、金谷さんは、午後スタート(12時5分)なのにもう練習していたんです」。

金谷は前週、米国での試合を終えたばかりだったため、時差ボケの影響もあっただろうが、ラウンド前後の練習量の多さに感銘を受けた。「海外で活躍するトップ選手でもあんなに練習しないといけないんだな、とびっくりしました」。

順調に事が進めば、大学を卒業する約3年後に同じ土俵に立つことになる。「ショットの精度をまず上げたい。まずは大学のトップの選手に追いつきたい」と力を込める。技術的な課題に加えて、トッププロの裏側まで見られたのは大きな財産になった。

キャディを務めた進藤大典は、「すべての面において伸びしろしかない。本人が持ち帰れないほどの宿題も見つかったと思うので、一つひとつがステップ・バイ・ステップ。どこを目指してやるか。プロの姿勢を目の当たりにして感じるものがあると思うので、期待したいですね」と今後の成長に期待を寄せる。

「進藤さんのジュニア大会で優勝できて、このような機会をいただいたことはすごく良かったです。今週もとてもお世話になりました。プロになってまた進藤さんに担いでもらいたいです」。感謝の言葉とともに、さらなる成長を誓った19歳。将来の“予約”をして、初めての舞台を後にした。(文・小高拓)

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