<ANAオープン 2日目◇18日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7006ヤード・パー72>
ツアー未勝利の44歳、内藤寛太郎が「63」をマーク。2位に4打差をつけ、自身初の単独首位に立った。ツアー優勝者を輩出していない8県のひとつ、福島出身。決勝ラウンドにはツアー史上5番目(日本人4番目)の年長記録となる初優勝と同時に、福島県勢の初Vがかかる。
「出来過ぎです。後半流れが良くて、ボギーを打った後に3つバーディを取って上がれたのが良かったです」。ベテランらしく控えめな言葉で振り返ったが、プレーはど派手だった。12番パー5は残り240ヤードのラフから9Wで4メートルに2オンを果たしイーグル。15番でこの日2つ目のボギーを叩いたものの、16番3メートル、17番4メートル、18番5メートルと上がり3ホールは立て続けにバーディパットを沈めた。
今季初のトップ10フィニッシュ(7位)となった「Sansan KBCオーガスタ」からパターを変更。「自信を持ってストロークできてなかったから、手を使って引っ掛けることが多かったんですけど、今はそれがなくなりました」。ゼロトルクのオデッセイ「TRTL」がパッティングの悩み解消に繋がった。
これまで優勝者が出ていない福島のゴルフ事情については、「ジュニアがプレーする環境はあるんですけど、始めるきっかけがないんだと思います」。内藤は子供たちがゴルフに触れる機会を提供するため、2023年から毎年8月に地元・郡山市でイベントを開催している。4回目の今年は初めて大会形式で9ホールをプレーするはずだったが、「雷で中止になりました」。後進の育成にも力を入れている。
もちろん、子供たちに福島県勢の初優勝を託すつもりはない。「優勝したいとはいつも思っています。成績は向こうが上ですけど、(古川)龍之介より先に勝ちたいですね(笑)」。19歳下の福島の後輩へ、秘めたるライバル心も口にした。
現在ツアーに数多くいるロピア所属選手の第1号。コロナ禍で試合がなかった2020年、ゴルフ場で偶然、当時社長だった高木勇輔氏(現在は親会社OICグループ社長)と出会ったことがきっかけだった。
「(プロキャディの)進藤大典さんたち、知り合いがいたので話しかけに行ったら社長とのラウンドだったんです。その時に『男子プロと回ったことはないから今度回りませんか』と言ってもらって、実際にラウンドしたその日にスポンサーになることを決めていただきました」
高木氏にはその後、キャディを務めてもらったこともある。地元・福島に、そして恩人に初優勝を報告したい。(文・田中宏治)
