「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」でツアー通算18勝目を挙げた山下美夢有。高いショット精度を誇る彼女のスイングを、プロコーチ・南秀樹が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
◇ ◇ ◇
再現性の高いスイングで優勝した山下美夢有プロ。アマチュアにも参考になるポイントが数多く見られるので、そのスイングをじっくり解説したいと思います。
【体重配分は左右均等で、その場で回る】
体重移動が少なく、軸をキープし、体の高さを変えずに振っていく。その場でクルッと回る再現性の高いスイングです。ドライバーのアドレスでも頭や上体の傾きが少なく、体重配分も左右で五分五分。軸をブレさせず、その場で回りたいという意思が伝わってきます。アドレスで体重を左右均等にするのは、軸ブレを防ぐには効果的です。その際、ボール位置を左に置き過ぎると、アドレスで、またダウンスイングからインパクトにかけて上体が被りやすくなるので注意してください。
【どの番手も同じリズムで振るから100ヤード以内も寄る】
強みを挙げるなら、ドライバーからパターまで同じリズムでスイングできることでしょう。どのクラブを持っても「やることは同じ」ですから、プレッシャーのかかる場面でも同じように振ることができると思います。今大会でも100ヤード以内のショットは抜群でした。リズムよく振るには、“振りたいリズムでクラブを上げて、上げたリズムで下ろす”のがオススメ。ダウンスイングやインパクトで無理に加速させない、どこかで力を抜いたり、入れたりせず、一定を保つこと。インパクトは自然と力が入るものです。
【フィニッシュで右足裏が見えて左足1本で立つ】
インパクトからフォローにかけては、下半身がスムーズにターンしていき、止まることなくボールを叩いていきます。フィニッシュを後方からみれば、右足の裏が綺麗に見えて、バランスよく立っていることがわかります。スムーズなターンを生んでいるのが、無理に地面反力を使わず、腰を平行に回転させていること。下半身は力強く、上半身はリラックス、理想的な力感で振れています。
この理想的な力感は、プレー中の山下プロの仕草を真似することで体感できると思います。山下プロはフィニッシュ後、クラブを胸の前に振り戻しますが、その後上体を1・2回と押し込むように、フィニッシュの位置へと再び動かすことがあります。「もう少し回そう」というような動きです。
この動きは、肩周りの力が抜けていて、切り返しから下半身が動き、下半身でクラブを引っ張ってくるからこそできるもの。もちろん、フィニッシュでバランスよく立たなくてはなりません。この仕草をスイング中に取り入れてみましょう。何度かやるうちに、力みが取れてくるようになると思います。上体の力みがなかなか取れない、フィニッシュが決まらないという人は、ぜひ試してみてください。
■山下美夢有
やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。2022、23年と2年連続で年間女王を獲得。24年も2勝を挙げたものの、メルセデス・ランキングは竹田麗央に次ぐ2位。25年から米女子ツアーを主戦場とし、「AIG女子オープン」で海外メジャー初優勝を果たした。26年「マイヤーLPGAクラシック」では、プレーオフの末に米ツアー通算3勝目を飾った。花王所属。
■解説・南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーだった父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主軸とした指導法に定評があり、幼少期から鈴木愛を指導するなど、多くのツアープロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。