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お手本は『AON』にあり!「パッティングの極意はボールを打ち抜くこと」その真意を聞いた

2024年でツアーから撤退した上田桃子や今年プロテストに合格した藤本愛菜、千田萌花が在籍している「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。パットはボールを打ち抜くことが大切という。その真相を聞いた。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2026年2月8日 12時00分

ヘッドを浮かせてボールの先、つまり打つ方向に置いてから、ボールを打っていたAON
ヘッドを浮かせてボールの先、つまり打つ方向に置いてから、ボールを打っていたAON (撮影:GettyImages)

2024年でツアーから撤退した上田桃子や今年プロテストに合格した藤本愛菜、千田萌花が在籍している「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。パットはボールを打ち抜くことが大切という。その真相を聞いた。

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今回はパッティングの話です。ボクがゴルフを始めた小学生時代、ゴルフ中継を観ていて、「さすがプロだなぁ」と感じることがありました。飛距離やショットの精度もさることながら、パッティングに入る前のある仕草です。

ボールの後ろに一度フェースをセットします。その直後、今度はヘッドを浮かせてボールの先、つまり打つ方向に置きます。そして再びボールの後ろにフェースを合わせアドレスが完了。ボクの小学生時代はAONの全盛期でしたが、青木功さんもジャンボ(尾崎)さんも中嶋(常幸)さんも、確かにそういう動きをしていたと記憶しています。

「さすがだなぁ」と思ったのは、ボールの前後にヘッドを浮かせて動かすわけですが、よくボールに当てないな、という小学生らしい単純なものでした。実際、ボクも真似をしたものですが、何度かボールに当たって動かしてしまい、そんなこともあっていつしか止めてしまいました。ただ、今回は、そこに焦点を当てます。実はこの動きにパッティングの極意というか、真髄が隠されているのではと思うようになったからです。

チーム辻村では、長さ約1メートルの金尺をパッティング練習に使っています。ボールが1個乗る程度の、幅約3センチの金尺の上を落とさないように打つ練習です。

いうまでもなくこの練習は、狙ったところに打ち出し、その結果、ストロークが安定、ボールのコロがり、リズム、立ち方、ヘッドの動きが良くなるなど、パッティング技術の基本が詰まっています。ただ、このとき、もうひとつ意識したいのが、インパクトした次の瞬間のヘッドのありよう。つまりインパクトの次の瞬間、ヘッドがどこに、どんな向き、形で収まっているのか。それを意識してもらいたいのです。

日本のゴルフ界をリードしてきたレジェンドたちの動きは、まさにそれを強く意識したルーティーンだったのではないか。最近、そんな風に思うようになったのです。つまり打ち終わった次の瞬間のヘッドのありよう、それを意識して打っているのではないでしょうか。

レジェンドたちの動きが、意識的だったか無意識であったかは分かりません。ただ、自分のやるべき近未来……ヘッドはここに、こういう形で動くのだ……という強いイメージが描きやすいことは確かでしょう。当然、それができれば成功確率は高まります。

ボクの師匠の故・荒川博先生は、「ボールは打つんじゃない。打ち抜くんだ」とよくおっしゃったものです。ときに「真剣でボールを真っ二つに斬るつもりで打ち抜くんだ」とも。まさにレジェンドたちの、ヘッドをボールの先に置いて構える動きは、打ち抜くためのリハーサルだったのかもしれません。もうひとつ言えば、マスターズでは、あのオーガスタのアンジュレーションの強い高速グリーンでも、名手たちは全員、ボールを打ち抜いていたことも付け加えておきます。

さて、ゴルフ界には古くから、「Never Up Never In」、つまり届かなければ入らない、ということわざがあります。その通りですね。これについても荒川先生は、「カップの先に氣がないから届かないんだ」とよくおっしゃいました。つまりカップの先を見ろ、カップの先を意識しろ! と。

実際、PGAには「シューズ1足分、オーバーする強さが一番入りやすいスピード」といったデータがあるとも聞きました。シューズは実際の足よりも大きいですから、30数センチオーバーさせる、といったところでしょうか。確かにカップしか見ていなければ、氣がカップまでしか届いていなければ、ボールもそこまでしかコロがりませんよね。ならばカップの先を見る、カップの先に氣を向けることも、とても重要な技術だとボクは思います。

パッティングはゴルフの中で、最も繊細でデリケートな動きが求められます。そのために体やボールのポジション、ヘッドの動きなど、細かいところに意識が集中しがちです。

しかしヘッドの意識を打ち終わった後のボールの先、カップの先に持っていくと、動きそのものがスムーズになるから不思議です。意識とは氣です。ボールの先、カップの先、二つの先を意識しましょう。

■辻村明志
つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。上田桃子らのコーチを務め、プロを目指すアマチュアも教えている。2025年は千田萌花と藤本愛菜をプロテスト合格に導いた。読売ジャイアンツの打撃コーチとして王貞治に「一本足打法」を指導した荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフの指導に取り入れている。元(はじめ)ビルコート所属。

※『アルバトロス・ビュー』895 号より抜粋し、加筆・修正しています

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