中古市場が盛り上がりを見せる日本のゴルフ業界。過去の名器や昔欲しくて買えなかったモデルなどが今では探せばすぐに手に入ることも多い。しかし、日々進化しているゴルフクラブの中で、中古クラブが通用するのか。ゴルフパートナー川崎野川店の協力を得てクラブを用意し、ギア好きクラブフィッター小倉勇人に試打・検証してもらった。
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昔のクラブを打ってみて今でも使えるのかを検証するこの企画。実際に自分でやってみたいと思うゴルファーは意外と多いのではないでしょうか。当時欲しかったのに何らかの理由で購入できず、いまだに気になっているモデルというのは、ギア好きゴルファーであれば1~2本はあるでしょう。またクラブの進化や当時のクラブの傾向など、そういった部分も触れながら、打った感想を交えながらお話ししていきたいと思います。
今回取り上げるのは、やさしいドライバーの代名詞と言っても過言ではないピンのドライバーです。2017年発売の『G400』シリーズから『G400 SFT』ドライバー、そして2022年発売の『G430』シリーズから『G430 SFT』ドライバーをお借りしてきました。
SFTはストレートフライトテクノロジーの略で、右へのミスを抑えたつかまりの良いモデルです。『G400』は、ミスへの寛容性を維持しながら、ちょっとした方向転換をしたモデルで、445ccというちょっとだけ小ぶりに仕上げています。その効果もあって振り抜きの良さとミスへの強さを両立し、大ヒットを記録してた名器です。以降、ピンの『G』シリーズのドライバーは、売れ行きNo.1の常連になっていきます。『G430』は現行『G440』シリーズの前作にあたるモデルで、打点のミスに強さに、飛距離を意識した設計で多くのアマチュアゴルファーに愛された逸品です。1世代前と新しいこともあり中古市場では高い人気を誇っています。
【ピン『G400 SFT』:現代での通用度★★★☆☆ ピンなのに振り抜きの良さが抜群】
▼『G400 SFT』実測スペック
長さ/45.125インチ
重さ/304g
バランス/D0.0
川崎野川店での販売価格/23,980円(税込)
お借りしたクラブについていたシャフトは、純正ではなくカスタム仕様のフジクラ『スピーダーエボリューションⅣ』50gのSR。現行モデルと比べると短めの設定ということもあり、バランスが軽めになっています。
実際に打ってみると、ピンのドライバーとは思えない振り抜きの良さ(笑)。この頃からすでに高い慣性モーメントを意識して作られているため、弾道としては直進性が高いものの、発売当時の記憶とたどってもここまでシャープに動いた印象はありませんでした。今回『G430』と同時に打っていたことに加えて、カスタムシャフトかつ短め、重心角が大きくヘッドのターンがしやすい『SFT』という条件が重なったため、感じたのだと思います。それを差し引いても『G400』シリーズは、近年のピンのドライバーの中で最もヘッドターンが軽く振り抜きやすいシリーズと言って良いでしょう。
レンジボールの補正無しのデータなため、飛距離的には飛んでいませんが、9年前のモデルなのにミスへの強さと安定したつかまりを考えるとまだまだ活躍できそうです。ただ最新の『G440』と比較した場合、ミスへの寛容性が少しだけ低い印象はあります。それでも他の最新モデルと比較してそこまで劣っているとは感じませんでした。
【ピン『G430 SFT』:現代での通用度★★★★☆ やさしさは最新モデルと遜色なし!】
▼『G430 SFT』実測スペック
長さ/45.75インチ
重さ/293g
バランス/D0.0
川崎野川店での販売価格/39,980円(税込)
お次は『G430 SFT』ドライバー。お借りしたクラブは、純正のALTA J CBが装着された仕様。フレックスはRで実測スペックを見てもカタログと同じ数値でした。完全純正仕様ですね。
打ってみると、45.75インチという長さと高い慣性モーメント値の影響で、クラブとしての直進性が高いというか、振り抜きが重く感じます。自身でコントロールするというよりは、クラブに逆らわずにフェース面をあまり開閉させないようなイメージで振ると少々打点がズレても曲がりが少なく安定した弾道が打てますね。
クラブ長が長いため、『G400 SFT』と比べると飛距離は出ていますが、飛距離性能としてはほぼ差がないと言ってい良いでしょう。違いとして感じるのは、打点のミスへの寛容性。『G430』のミスへの強さは最新のモデルと比較しても引けを取らない一級品だと感じました。とにかく打点がバラついても前に飛ばしたいと考えるなら候補のうちの3本には入ると思います。気になるのは、打音と振り抜きに重さを感じる点。特に打音は、この前作の『G425』よりは良くなっているのですが、ちょっと爽快感に欠けます。そういった点が気にならないなら、まだまだ現役で戦えるモデルです。
■試打・解説
小倉勇人
おぐら・はやと/1978年生まれ、東京都出身。ゴルフ工房「リル・ガレージ」でクラブフィッター、クラフトマンをしながら、ゴルフライターとしても人気
