2025年の国内女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」で岩井千怜とのプレーオフを制してシーズン2勝目、通算22勝目を挙げた鈴木愛。ピン契約の鈴木は14本すべてピン製。ウッドやユーティリティは今季から投入する最新モデルの『G440』だが、アイアンやウェッジは昨季から使うモノ。クラブのこだわりを聞いた。
6番からのアイアンは『BLUEPRINT S』、50・54・58度のウェッジは『s159』を使用。昨シーズン2戦目、3戦目と連勝したときと同じモノで丸2年使っている。
アイアンは2019年から使用していた『i210』を昨年チェンジ。今季に入っても今年9月に発売された『i240』もテストしたが、「私は高い球、低い球、ドロー、フェードと球筋を操作したいので、やさしく真っすぐ打てる『i240』というより、操作性の高い『BLUEPRINT S』の方がいいと思っています」
『BLUEPRINT S』はキャディバッグに入っていたらカッコイイ“男前アイアン”だ。「ソール幅が薄くて、私も最初は『こんなの打てんわ』って思ったんですけど、打ってみたら抜けがよくて気に入りました。見た目はシュッとした顔で難しく見えるんですけど、打ったら意外と弾道も上がってくれるし、難しさは見た目ほどないので、アマチュアの方も打てると思います」とやさしさと操作性を兼ね備えたモデルという。
またウェッジは2017年から使用していた『グライド2.0』を昨年チェンジ。「ラフでもフェアウェイでもスピンがかかる」とお気に入り。気になるのは3本のウェッジのうち、50度と54度はメッキ仕上げだが、58度だけがノーメッキである。
1本だけノーメッキの理由も明確だ。「メッキあり、メッキなし両方作ってテストしました。フェアウェイ、ラフからのフルショットやグリーン周りのフェアウェイ、ラフ、あとバンカー、芝の薄い場所など、いろんなところの状況を試して、トータルでよかったのがノーメッキでした」。今季のリカバリー率3位(69.5868%)など、ショートゲームが武器の鈴木にとっては大事な1本。実際にさまざまな状況下で試して選んだものだった。
なかなかクラブを替えたいことでも知られる鈴木。過去に賞金女王を2回(2017年、19年)獲得し、通算勝利数は22、生涯獲得賞金は11億円を超える。技術だけでなく、こだわりのクラブとともに積み重ねてきたといえる数字である。
【鈴木愛のクラブセッティング】
1W:ピン G440 LST(9度/ALTA JCB 50S/45.5インチ)
3W:ピン G440 LST(15度/ALTA CB 65R)
5W:ピン G440 MAX(19度/ALTA CB 65R)
4・5U:ピン G440(23・26度/ALTA CB 70R)
6I~W:ピン BLUEPRINT S(N.S.PRO 850 S)
50・54度:ピン s159(CFS R)
58度:ピン s159(CFS R)※ノーメッキ
PT:ピン G Le2 ECHO
BALL:タイトリスト PRO V1x
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