スライサーの多くは「先中調子」シャフトに期待しがちだが、従来の先中調子は大きくしなってつかまる反面、「コースで暴れる」との声も根強くある。フジクラが進化させた最新の2027年モデルの「白」こと『SPEEDER NX WHITE』は、評価の高い「黒」こと2023年モデルの『同 BLACK』を上回れるのか? 先中調子の頂上決戦を試みた。
新作『白』は評価の高い『黒』を超える?
「つかまるけど暴れる」「初モノの先中は、タイミングが取りづらい」――。そんなイメージのある「先中調子」の検証に参加してくれたのは、マイナビネクストヒロインゴルフツアーで活躍し、これから大事なプロテストを控える20歳の森田乃愛さんだ。
「持ち球はバックスピン量が3200rpmくらい多く入るフェードで飛ばないのが悩み」と語る彼女と、ゴルフギアライターで様々なメディアでお馴染み、フジクラシャフトを知り抜く鶴原弘高の2人が、新旧の先中調子シャフトを徹底試打した。
森田さんは『白』でHSが0.7m/sアップ!
昔から爽やかで明るい「白いシャフトは軽く感じるから速く振れる」と言われる。PING『G440 MAX』を使用して「普段はキャリーが205ydしか出ません」と悩んでいた森田さんだが、同じ「40S」のスペック・同一ヘッドで『黒』と『白』を振り比べると、驚きの変化が現れた。
新作の『白』を振り下ろすと、ヘッドスピードは『黒』より最速0.7m/sアップの41.4m/sを計測。さらに、トラックマン計測で最長キャリーも218.0ヤードまで伸ばし「218ヤードもキャリーが出るなんて!普段はキャリー205くらいしか飛ばないのに…」と目を白黒させ、驚きを隠せない森田さん。
『白』でキャリー不足の悩みが解消
「白の方が切り返しでしなりを感じて、変な硬さや重さを感じないから力まず勝手に振れる感じです!全体のしなりは大きく感じてタイミングが取りやすくて走るのに、先端がしっかりしていてヘッドが暴れません。スピン量が多めで飛ばない私でも、HSが上がってキャリーも伸ばせたのが嬉しいです!」(森田さん)
見届けた鶴原は、ヘッドスピードアップの理由に「手元側のねじれ剛性の高さ」に加え【白の暴れなさ】も挙げる。森田さん自身も「白の方が切り返しがしなかやかつ、スムーズに振れるから、HSが上がるのかも」と応じる。
「白と黒の違いは、今回から『DHX』テクノロジーという45度以外の第2のバイアス層がきちんと入ったこと。しかも、先中調子に最適化されて、とにかく当たり負けに強いんです。ボクはその安心感もあってすごくスムーズに振れてHSが上がりました。黒の方が、右に出たり人によっては左につかまり過ぎたりと、日によって症状が割れたりしますけど、白はそれがないから、いつでも安心して自分のポテンシャルを発揮できると思います」(鶴原)
『黒』と『白』では何がどう違うのか? 設計面では手元側から中間部にかけての広範囲で、EI剛性、ねじれ剛性の両方が上がっている。ところが、二人とも「そこまで硬くは感じなかった」とのこと。
鶴原は「今回の『白』はVTC技術で手元側のねじれ剛性を上げた、絶妙な『しっかり感』が特徴。切り返しがスムーズでHSを勝手に上げてくれます。ボクで『黒』より平均+0.4〜0.5m/s、森田さんは+0.7m/sくらい『白』が速い数字が出ました」と、スピードへの恩恵を語っていた。
鶴原はミート率1.50連発!「DHXで揃い方が段違い」
よりパワフルな鶴原弘高も、「60S」を入念に検証していく。キャロウェイ『Quantum ♢♢♢MAX』を使う鶴原も平均0.4m/s弱アップしたが、何より注目すべきは「ミート率の高さ」と「圧倒的な左右ブレの少なさ」だった。『黒』では右ラフへの抜けや、つかまえにいって左へ巻き込む場面も見られたが、『白』に持ち替えると15球連続でフェアウェイの狭い範囲に打ち込むハイドローを披露。最長271.7ヤードをマークし、ミート率は高水準の「1.49」を連発した。
「いま見てもらったことに全てが凝縮されていますよね。『白』の方が『黒』より遥かに安定したハイドローだし、15球くらい連続でフェアウェイの池側の狭い範囲に打てました。『黒』は最初右ラフばかりで、つかまえに行って池まで行ったりしたのとは大違いだと思います。やっぱり、黒と白の違いの最たるものは、第2のバイアス層『DHX』の有無。これが入る白は、よりオートマチックで分散が減らせますし、特に合いそうなのは、スピン量が少なくてドロップしがちな人、飛距離が低くキャリーが出づらい人にはお勧めですね」(鶴原)
暴れない秘密は隠れた「先端剛性」にも!
なぜ先中調子なのに、ここまで暴れないのか。【DHX】の他にも「隠れたEI剛性に秘密がある」という。「EI剛性のグラフでは、黒より白の先中部分の剛性が低いと分かりますが、グラフに見えていない200mm以下は白の方がEI剛性が高いそう。そのため、巻き込むチーピンのようなミスも出づらく、素直な出球になりやすい」。
今回の対決では、ヘッドスピード、キャリー、ミート率、そして方向安定性のすべてにおいて【白の圧勝】になった。鶴原は、今回の先中調子の頂上決戦で『白』を試すべき人をこうまとめた。
♣ スピン量が多くてキャリーをロスしている人
♣ 打ち出し角を上げてドロー系で飛ばしたい人
♣ 先中の走りは欲しいがコースでOBを避けたい人
「先中調子はつかまるけど暴れる」という固定観念を覆す『SPEEDER NX WHITE』。自分のポテンシャルを最大限に引き出したいゴルファーは、ぜひ一度その走りと安定感を体験してほしい。
✤ ALBA本誌945号より転載
✤ 撮影/山代厚男 ✤ 取材協力/上総モナークカントリークラブ
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https://www.fujikurashaft.jp/dcms_specialcontents/speeder_nx_white/