<KPMG全米女子プロ選手権 3日目◇27日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>
ヘイゼルティン・ナショナルGCのシグネチャーホールとされる16番パー4は、3日目にティグラウンドが前に出され240ヤードと1オン可能なホールへと姿を変えた。
そこはティイングエリアからコース右サイドに、ずっと湖が広がる右ドッグレッグホール。初日は3番目に難しく、2日目には平均「4.232」と最も難しいホールとなったが、3日目は一転して「3.623」と最も易しいホールへと変化した。
240ヤードとなれば、もはやドライバーも必要ない距離。さらに左からフォローの風が吹けばなおさらだ。日本勢では畑岡奈紗と西郷真央がフェアウェイウッドでグリーン近くまで運び、アプローチで寄せてバーディを奪った。
攻め方は選手によって様々で、グリーン近くまで運ぶ意図でフェアウェイウッドを振る選手もいれば、岩井明愛は5番ウッドで無理にグリーンを狙わず安全に刻む選択。渋野日向子も「もともと刻む予定だった」と、フェアウェイ左サイドのクリークに入るリスクも避ける形で5番ユーティリティを選択し、約190ヤードのティショットとした。
全体を見ると、この日は5つのイーグルも生まれた。米国女子ツアーの詳細な記録が残る1992年以降では、メジャー大会において、1ラウンド中に1つのパー4ホールで、5つのイーグルが記録されたのは最多タイ記録に。もう一つは、アトランタ・アスレチック・クラブで行われた2021年大会2日目の6番パー4だった。
なお1つのホールが最難関から翌日に最易ホールに…というような“逆転現象”は、14年の「全米女子オープン」(パインハーストNo.2)以来のできごと。その際は第1ラウンドの10番パー5が最も易しかったが(平均4.90)、第2ラウンドで最も難しく(平均5.57)なるという極端な変化が起こった。
とはいえ、ドローヒッターの古江彩佳にとっては構えづらいホールでもあった。「右ドッグっていうのも気持ち悪い部分はあったと思うんですけど。ドライバーでは大きかったので、3番ウッドでエッジぐらいまで行ってくれるかなとは読んでたんですけど…」と語ったが、その読みとは裏腹にティショットは右へ曲がり湖へ。馬場咲希も同様に湖に入れ、それぞれボギーを喫した。
一日で大きく姿を変えたシグネチャーホール。選手のティショットの選択と攻め方も、この日の大きなハイライトの一つとなった。(文・齊藤啓介)
