<KPMG全米女子プロ選手権 最終日◇28日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>
悪天候の影響でスタートは約3時間半遅れ、雨雲は抜けたものの強風は吹き続けた最終日。過酷なコンディションのなか、勝利をつかんだのはメジャー未勝利のユ・ヘラン(韓国)だった。
「夢みたい。人生で初めてのメジャータイトルだから、本当にうれしいし、夢がかなった気持ち」
2023年にツアーメンバー入りし、ルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)を受賞。これまで米ツアー3勝を挙げる実績を残していたが、今季は5月「クローガー・クイーンシティ選手権」を2位で終えると、軽度の手術を受けるため1カ月以上の休養に入り、今大会が復帰戦だった。
その間にはメジャー「全米女子オープン」も行われていたが「出場するかどうかはとても難しい決断だった。ただ、出場しても予選落ちしてしまうことを考えると、韓国に残って過ごす時間は楽しく、幸せなものだった」と出場できない悔しさを押し殺し、前を向いていた。
さらにこう続ける。「ゴルフのストレスから離れて、ゆっくり過ごし、母の手料理も食べることができた。とてもいい休養になり、いい状態で今週を迎えられた」
その言葉通り、初日こそ「73」とオーバーパーを叩いて70位タイと出遅れたが、2日目に「64」のビッグスコアをマークすると、3日目に単独首位に立ち、そのまま逃げ切った。
とはいえ、1打のリードでスタートした最終日、最初の5ホールで立て続けに3つのボギーを叩き(1バーディ)、同組で大会歴代覇者でもあるブルック・ヘンダーソン(カナダ)に首位の座を譲る場面もあった。それでも立て直し、残り13ホールを4バーディ・ボギーなしでまとめ、最終的には2アンダーの「70」でホールアウト。トータル13アンダーで2位に2打差をつけてタイトルを手にした。
4日間を通してのパーオン率は81.94%を記録し、全体トップ。ショット力で優勝を引き寄せた。
「最初は優勝なんて考えていなかった。ただ週末に残ることだけを考えていた」
大会序盤の苦しいスタートから一転、週末の猛チャージで一気に頂点へ。初日にトップに立っていた同郷のユン・イナに10打差をつけられており、それを覆しての逆転勝利となった。これは同大会において、初日のビハインドを覆す史上最大の逆転記録となる。
優勝後は「メジャーチャンピオン・ユ・ヘランと紹介されるのが信じられない。本当に夢のよう」と笑顔を見せた。ホールアウトする頃には再び雨雲が空を覆ったが、25歳にとってはうれしいウォーターシャワーになったはずだ。(文・齊藤啓介)
