<KPMG全米女子プロ選手権 最終日◇28日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>
「今日が一番悔しかった気がします」。初日からイーブンパー以下のスコアを紡いできた岩井明愛は、そう言葉を漏らし、空を仰いだ。
3つのバーディを奪いながらも、2つのボギー、3番パー5ではダブルボギー。最終日はスコアを一つ落とし、トータル2アンダーの19位タイで大会を終えた。
この日のパーオン率は50%。グリーン周りでは絶妙なバンカーショットを見せる場面もあったが、あと一筋のパーパットを決め切れないシーンも目立った。「パットが一番ですね」。最終日はグリーン上に課題を残した。
それでもこの1週間、いや2週間は、ただ悔しさを抱えて終わるだけではなかった。メジャー前哨戦の「マイヤーLPGAクラシック」は、カットラインに2打及ばず予選落ち。終盤17番ではラフからのアプローチミスが引き金となるダブルボギーを喫し、その一打があまりにも重く響いた。
ホールアウト後にはパッティンググリーンに座り込み、1時間以上にわたってチームと“反省会”を開いた。「自分の中で整理できたと思います。ゴルフは瞬時に状況判断をしないといけない。そこに生かせるものはできた」。その時間は、ミスを悔やむためではなく、次への答えを探すための時間だった。
さらに、今大会ではラウンド中に小さな変化を取り入れた。「今週からキャディさんとトークを多めにしてみようと思いました」。
最近はキャディを務めるアーロン・ランドリー氏とのコミュニケーションが足りていないと感じていたという。きっかけは、男子メジャー「全米オープン」の中継だった。選手とキャディが積極的に言葉を交わす姿を見て、「自分たちもやってみよう」と考えた。
ショットについて話す時間を増やしたことで、「そこは生きている」と新たな発見もあった。2人の意見が一致すれば、番手も狙いどころも迷いなく決まり、ショットだけに集中できる。初日の17番パー3で奪ったバーディも、その成果の表れだった。
それでも、ゴルフは思うようにはいかない。最終日は思い描いたプレーができず、悔しさがこみ上げた。「これから全英もあるので、強い風の中でラウンドできてうれしかった」と、最後は持ち前の前向きさで7月から始まる欧州連戦へ視線を向けた。
「ゴルフは何があるのか分からない。だから面白い」。何度も悔しい思いを重ねながらも、そのたびにチームで話し合い、キャディとも意見を交わし、その場、その瞬間の最適解を探し続ける明愛の姿がそこにはある。(文・齊藤啓介)
