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執念のイーグル、大会記録樹立も実らず… 岩井明愛は惜敗に「もっともっと優勝争いを」

岩井明愛は「61」を叩き出したが、惜しくもツアー初優勝を逃した。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年2月24日 08時00分

<ホンダLPGAタイランド 最終日◇23日◇サイアムCC オールドC(タイ)◇6632ヤード・パー72>

米国ツアー初優勝への執念を、最後の瞬間まで見る者に伝えた。

【写真】パーパットを外して天を仰ぐ岩井明愛

トップと2打ビハインドで迎えた最終18番パー5。岩井明愛は「入れるしかないというのは分かっていた。タッチを合わせつつ、フィーリングも大事にしながら打った」という、下り7メートルのイーグルパットをねじ込んだ。グリーンを囲んだ大ギャラリーが大歓声を上げた。

この一打でトータル27アンダーになり、首位に並んだ。その直後にエンジェル・イン(米国)が80センチのバーディパットを決め、惜しくも優勝を逃したが、クライマックスにふさわしい攻防戦だった。そこに至る前の、5番ウッドで放った残り240ヤードの2打目も、「イメージ通り。フォローの風に乗って、フライヤーして、ドローをかけて。狙い通りでした」と魂のこもった一打だった。

この日のスコアは「61」。初日に岩井も記録した大会コースレコードを1打更新した。だが、スタート時につけられていた5打差は大きく、優勝したインも「65」と好スコアを出したため、逆転優勝はかなわず。やるべきことはすべてやった。しかし本人は「仕方ないとは思ってない。(ボギーを打った)17番とか、どこかのバーディパットを落としたり、もったいなかった」と、悔しさの方がもちろん大きい。

岩井がプレーした最終日最終組には、優勝したインに加え、地元・タイで絶大な人気を誇る世界ランク2位のジーノ・ティティクル(タイ)がいた。取り囲んだ大ギャラリーの多くは、ジーノの勝利を期待する者。コースの各所で“渋滞”が発生するほどの混雑だったが、そのプレッシャーもはねのけ続けた。

昨年末の最終予選会を突破し、今季から米国女子ツアーを主戦場に戦う。2週前に出場した自身の今季開幕戦「ファウンダーズカップ」は予選落ちを喫したが、本格参戦後2試合目にして優勝争いに食い込んだ。そこでの“2位”という結果については、こうとらえている。

「もっともっと優勝争いをしたい。優勝争いをするほど、負ける回数も多くなる。その位置でプレーできることがうれしかったですね」

この悔しさを次への糧にするしかない。

もし優勝していれば、出場資格のなかった今週の「HSBC女子世界選手権」(2月27日~3月2日、シンガポール)にも出場できたが、それも逃した。そのため米国→サウジアラビア→タイの3連戦を終え、ここで一度、日本に帰国。次は国内ツアー開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」(3月6~9日)に妹の千怜とともに出場する。

「少し休みたいですね。体調が崩れないといいなと思います。けっこう疲れているので」

ダイキンを終えると、次の主戦場での試合は、再び米本土が舞台になる。小休止を挟み、再び元気にプレーする姿を日米のファンに見せたい。(文・間宮輝憲)

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