<KPMG全米女子プロ選手権 2日目◇26日◇ヘイゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)◇6760ヤード・パー72>
ラウンド後、大会を中継するU-NEXTのインタビューに応じた馬場咲希は、5試合ぶりの予選通過に堰を切ったかのように大粒の涙を流した。
「緊張して、どうやったらパーを取れるのか。辛かった」。いいリズムで回れた前半は、2つのバーディを奪って折り返したが、後半に入り“予選落ち”が重圧になった。
5月の「クローガー・クイーンシティ選手権」から続く予選落ちの流れを断ち切るため、この日は自分との勝負になっていた。緊張を紛らわせるように無理に笑顔を作り、鼻歌も口ずさんだ。それでも「ずっと体が動かなかった、緊張が怖い」。ホールを重ねるごとに、恐怖にも似た感情に苛まれていった。
後半は1バーディ・2ボギーとスコアを落としたものの、前半2つの貯金を生かし「71」でホールアウト。トータルイーブンパーの43位タイで決勝進出を手繰り寄せた。
これまでラウンド後は笑顔で気丈に振る舞っていたが、ここ数週間は苦悩が続いていた。3週前のツアー唯一のダブルス戦「ダウ選手権」では吉田優利とペアを組み、初日にはティショットを乱してしまい、先輩に難しいショットを打たせたことへの自責の念から、ラウンド中に涙を流す場面もあった。
さらに先週の「マイヤーLPGAクラシック」では、2週後に控えるメジャー「アムンディ・エビアン選手権」の出場権を懸けたポイント争いの山場を迎えていたが、「予選通過をするためにということをずっと考えていた」と振り返るように、結果への意識がいつも以上に強くなっていた。
こうした岐路に立たされながらも結果が出ないもどかしさを抱えていたなかで、ようやくつかんだ予選通過だった。安どとともにあふれた涙は、嗚咽するほどのものだった。
「よかった」。さまざまな感情が交差するなかで、いまは安どの気持ちが大きい。「やっとの予選通過。思い切りのいいラウンドがしたい」。予選通過という足かせは外れ、あすからは本来ののびのびとしたプレーができるはずだ。(文・齊藤啓介)
