短く持つことによってフェースローテーションを抑えて、弾道を低くして早めに着弾させる。そして固いフェアウェイでランを出して距離を出すのだ。これならアゲインストのなかでも距離を出していける。
「3つのうち、基本的には“ちょっと短く”持ってランを出していました。フォローだったとしても急に風が変わる可能性もある。できるだけ早めに地面に落ちてほしいですからね。逆に日本にいたときと同じ長さで持つのはキャリーでバンカーを越えたいときくらい。ドライバーの打ち出し角で言えば、普段が15度だとしたら、やや短くで11〜12度、一番短く持ったときは10度を切っていたと思います。それらを同じリズム、タイミングで打てるように練習場から準備しました」
もちろん、事前に強風を想定した練習を繰り返したことが活きたのは言うまでもない。ブラインドホールの狙いどころは、16年に同じロイヤル・トゥルーンGCで行われた「全英オープン」にキム・キョンテのキャディとして帯同した島中大輔氏に確認していた。そうやって身に付けていったものをうまく組み合わせて、1つ1つクリアしていった。
■集中力が抜群 本気になればここまでできる
また、辻村氏が見ていて過去最大級と感じたのが集中力の高さ。「“このショットに尽くす”と1打1打に集中できていました」。特にそれができたのが最終日。その結果がミスショットわずかに1回という結果に結びついた。
