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「8:2で悔しい」 ルーキー寺岡沙弥香は“アホなふり”徹底できず1打差惜敗

ルーキー寺岡沙弥香は奮闘するも惜敗。2位に入った。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年8月17日 16時43分

寺岡沙弥香は優勝争いでも終始笑顔。18ホールを駆け抜けた
寺岡沙弥香は優勝争いでも終始笑顔。18ホールを駆け抜けた (撮影:福田文平)

<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日◇17日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6625ヤード・パー72>

最後の最後まで初優勝の可能性を信じて戦い切った。2位に終わったルーキーの寺岡沙弥香は、「1打届かなくて残念。ただ、これが(下部の)ステップ・アップ・ツアーも含めて3試合目の最終組だったけど、初めて崩さずに伸ばせたのはよかったです」と一日を振り返った。それでも、「8:2で悔しいです」というのが本音だ。

<写真>ルーキー賞で高性能PCをゲット!

柏原明日架と並ぶ首位からスタートしたラウンドは、堂々とした戦いぶりが印象的だった。1番、2番で連続バーディを奪うと、その後はボギー2つも来るなかで、10番、11番で再びの連続バーディ。1番と11番のバーディを奪った時には、単独首位の座を奪う底力もみせた。

1打ビハインドで迎えた最終18番は、池がある左サイドに切られたピンを果敢に狙った。これが実り2.5メートルのチャンスに。「カップ3分の2くらい外して狙った。(読んだ)ラインは合っていたと思うけど、右に出てしまって…。曲がれ、曲がれと思っていました」。しかし、無情にもカップを外れると、パターを高くあげ悔しさを露わにした。

今大会は「実験」として、「勝ちたい」と強く念じて臨んでいた。これまではミスをすると、嫌なイメージが残り、それがその後のプレーにも尾を引いていたと分析。これを払しょくするため“アホになる大作戦”を打ち立てた。「ミスした時ほどアホなふりをしていく」。気持ちを切り替えるため、自分なりに考えた方法だ。ただ、きょうは「(アホに)なれなかった。ショットが曲がった時に“あれかな、これかな”と考えてしまった」。徹底できなかったことにも悔いが残る。

昨年のプロテストでトップ合格を果たしながら、QTは54位と低迷。レギュラーツアー出場は限定的という立場でルーキーイヤーがスタートした。それでも少ないチャンスを生かして第1回リランキングで優先出場順位が21位まで浮上。さらに、この2位で120ptを加算し、大会後の暫定リランキングは11位(278.59pt)までアップした。これで9月「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」後に行われる第2回リランキング突破にも大きく前進した。

「これでエリエール(レギュラー最終戦の大王製紙エリエールレディス)までは出られそう。またチャンスがある。次は優勝争いを楽しめるように頑張りたい」

何度も勝負所のパーパットを決める先輩・柏原のプレーを目の当たりにし、「ボギーを打つことはないから、バーディを取らないといけない」と真っ向勝負を挑んだ。レギュラーツアーで初めて最終日最終組に入った「大東建託・いい部屋ネットレディス」では、1打差を追いかけスタートしながら、「74」とスコアを落とし、28位タイまで失速した。その時のような、もろさはない。

「自分がこういうゴルフをしたら優勝争いができるんだなという感覚が、柏原さんのプレーも見て分かった。優勝に近づいたような気がします」。まだ22歳だが、5回目のプロテストでようやく合格をつかんだ“浪速のド根性娘”は、何度でも立ち上がり、初優勝へと向かっていく。(文・間宮輝憲)

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