<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇10日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6619ヤード・パー72>
昨年、この六甲国際で、3年ぶりとなるツアー優勝を果たした髙橋彩華。先週出場した「全米女子オープン」から帰国し、さっそく9日(火)には連覇へ向けて練習を行った。そこでは新たなシャフトをテストする姿も見られた。
握られていたのは藤倉コンポジットのシャフト。ただ、見慣れない白を基調にしたコスメで、メーカー担当者から何も説明を受けることができなかった未発表モデルだ。『SPEEDER』の文字が刻まれ、異なるカーボン層を組み合わせる同社独自のテクノロジー搭載を意味する「DHX」の文字も健在。今週、初めて振った髙橋が、その印象を明かす。
現在、同社の『スピーダーNXバイオレット』を使用するが、「(球を)持ち上げながら、ロースピンで飛ぶ印象。ドローヒッターからするとイメージはいい」と好感触。シャフトに求めるものにつかまる感覚を挙げる髙橋は、長年NXシリーズを愛用しているが、「球の持ち上げ感が今までのもので一番高い。今まではつかまり重視で、私のスイングでは中弾道の球が出ていたけど、今回は高く出やすいですね」と、これまでの製品と比べる。「もう少しボールを高くしたい願望があった」というなかで、うってつけの性能であることもうかがえる。
今週の大会では、優勝もしくは2位、また大会終了時のメルセデス・ランキング次第でも、2年連続で「AIG女子オープン」(全英)出場が可能になる。そのためシャフトの再考も慎重で、「もうちょっと微調整しながら」にはなるが、残りのシーズンに向けての準備を開始したという言い方はできる。
この新シャフトに興味を示したのは髙橋だけではない。3月に地元・宮崎で行われた「アクサレディス」を制した永峰咲希も、そのひとり。しなり方に関して「中央からやや手元寄りが最後にアシストしてくれればいい」という好みを持つが、今回の製品は「ちょっと先寄りだけど、完全に先ではなく、真ん中が動く感覚もあった」と話す。先中調子のような動きで、ヘッドの走りを助けるスピーダーシリーズの特徴が際立つ1本に仕上がっているように聞こえる。
フェーダーの永峰にとっては手元調子のほうがイメージが出やすいようだが、昨年「資生堂・JALレディスオープン」を勝った時には先中調子の『24 ベンタス レッド』を使用していた実績もある。そのため、操作はお手のもの。テスト中には「簡単に上がる」という声も聞こえてくる。
「データを見ると打ち出し角度が2度くらい上がっていました。今、使っているベンタスTRはどちらかというと(出球は)低く出て、そこから上がる。今回は打ち出しが高いし、そこからさらに上に伸びていく球が出ていました」。ここは髙橋の感想と一致する部分でもある。
また、この“高さ”については通算1勝の稲垣那奈子も、「高さが出てくれる。赤ベン(今使っているベンタス レッド)も高さは出るけど、最初は下から出て上がっていく感じ。これは最初からしっかり高さが出るし、初速も少し速くなって心地よかった」と証言する。最近、出球が右に出る傾向を解消するためにテストしたプロ2年目の加藤麗奈は、「振りやすくてつかまりもいい。飛距離も飛んでいたし、球の上がりもよかった」と、“即投入”を決断していた。
永峰は、「ボールが上がらなくて悩んでいる人や、顔は好きなんだけど、難しいから扱えないというヘッドがある人にとってはシャフトがクラブを簡単にしてくれるような感じがしました。しっかりと動く感覚はあるのに、簡単というのが不思議でした」という感想も補足する。
気温も上がり、よりクラブを振れる時期が到来。まだベールに包まれたホワイトシャフトが、女子プロたちのヘッドの走りと、出球の高さを加速させる1本になるかもしれない。(文・間宮輝憲)
