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「小さいころからずっと…」 兄・豪さんが語る“負けん気ガール”櫻井心那

死闘を制してツアー初優勝をつかんだ櫻井心那。兄・豪さんが19歳の“負けん気”について語った。

所属 ライター
田中宏治 / Koji Tanaka

配信日時:2023年7月2日 20時13分

家族とともに優勝を喜ぶ櫻井心那。右から2番目が兄・豪さん
家族とともに優勝を喜ぶ櫻井心那。右から2番目が兄・豪さん (撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 最終日◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

ステップ・アップ・ツアーの昨季賞金女王、櫻井心那がトータル10アンダーで並んだ桑木志帆とのプレーオフを制し、ツアー初優勝を飾った。1打差の5位タイから出た最終日は上がりの連続バーディなどで「68」をマーク。プレーオフに入っても勢いは衰えることなく、2ホール目のバーディで決着をつけた。

涙をおさえきれない…【大会フォト】

「私もバーディ、バーディしかないと思っていたし、キャディさんにも『2つ獲って上がればいいじゃん』と声をかけられました」。首位と2打差で迎えた17番パー4。櫻井は残り145ヤードの2打目をPWで30センチにピタリ。最終18番パー4でも99ヤードから1メートルにつけ、連続バーディでプレーオフに持ち込んだ。18番で行われたプレーオフは1ホール目が両者パー。2ホール目は残り80ヤードから奥4メートルにつけ、これをねじ込んだ。

現在の課題は100ヤード以内。「18番は必ず52度か、58度の距離が残るのでちょっと自信がなかった」とプレーオフが始まる前は不安を感じていた。また、高校(長崎日大高)ゴルフ部の先輩でもある古賀雄二キャディには、正規の18番で第1打を放った後「ティアップする手が震えました」と明かしていた。かなりの緊張やプレッシャーがあったということだが、それを全く感じさせない終盤のプレーぶりだった。

中央大学ゴルフ部で活躍中の1歳上の兄・豪さんは「妹は気が強くて、小さいころから負けず嫌い。メンタルが強いと思います」。2人は櫻井が幼稚園の年長のころ、ほぼ同時にゴルフを始め、12年間一緒に練習をしてきた。「いつもアプローチ対決などの勝負になるんですが、妹は『私が勝つまでやめない』と言って、本当にやめないんです」。豪さんも「日本ジュニア」で13位タイに入った実力の持ち主。常に近くにいる“ライバル”との対決が自然と豊富な練習量につながったようだ。

櫻井の今季最大の目標は地元・長崎で開催される「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」(9月)での優勝。会場のパサージュ琴海アイランドGCは長崎日大ゴルフ部がお世話になっているコースのひとつで、「普段は週に1~2回、夏休みなどは週に3~4回。練習場の球拾いをした後、18ホールを回らせていただいていました」(豪さん)。凱旋試合になるとあって、より一層気合いも入る。

初優勝の感想を問われ「『あっ、優勝しちゃった』という感じ。ステップで初優勝した時と同じなんですけど、(今回は)声援も多くて、取材も多くて、表彰式も盛大で、いちいち感動しています」と話した櫻井。地元でのメジャー制覇という目標を達成したときには、さらなる感動が待っているはずだ。(文・田中宏治)

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