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高校時代“補欠”からプロゴルファーに「いつ上手になるかは人それぞれ」 22歳ルーキーがたどり着いた“未知の世界” 【現地記者コラム】

高校時代“補欠”だった22歳のルーキー高田菜桜が迎えたプロデビュー戦。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2026年3月24日 11時45分

決してエリートではなかったルーキーがプロとしての初戦を迎えた。
決してエリートではなかったルーキーがプロとしての初戦を迎えた。 (撮影:佐々木啓)

「未知の世界に来ちゃった感じ。これから慣れていくんですかね。でも、今しかこういう気持ちは感じられない。新鮮ですね」

【写真】“変えないクラブ哲学” 高田菜桜の愛用セッティング 

先週行われた国内女子ツアー「Vポイント×SNBCレディス」で、4人のルーキーがプロデビュー戦を迎えた。そのひとり、高田菜桜は、会場の紫カントリークラブ すみれコースを明るい笑顔と、ちょっぴりもの珍しそうな表情で見渡した。

千葉市出身の22歳が目を輝かせていた理由は、地元でプロとしての第一歩を踏み出せたから、というのも確かに大きい。だがそれだけではない。決してゴルフエリートではなかった自分がプロの世界に立っている――という事実が実感に追いついていないから、といった印象も受けた。

「レギュラーツアーの会場は独特の雰囲気があるし、プロになったんだな~と思えますね。メーカーの人たちがたくさんいたり、ギャラリースタンドがあったり。テレビで見ていた場所に、プレーする側としているというのは不思議です」

8歳からゴルフを始めたが、アマチュア時代に全国で目立った活躍はない。千葉黎明高に進学し、同級生には今年プロ2年目の吉田鈴がいる。ただ、当時の高田は「団体戦に出られなかったし、(部内の)4番手とか5番手という立ち位置。プロなんて…という感じでした」という、いわば“補欠”。2年生だった2020年「全国高校ゴルフ選手権特別大会」団体戦4位などをエースとして導いた吉田の影に隠れた存在とも言えた。

成長曲線が急激な上昇カーブを描き始めたのは東京国際大に進学してから。「高校時代は1度も団体戦に出られなかったのに、大学1年生でレギュラーになったんです。試合に出られるとなったら、『やらなきゃ』という気持ちが強くなってきて。練習量は増えたし、きついトレーニングもしました。環境が変わって、これまでやってもらっていたことも全部、自分でやらなければいけなくなりました」。“練習も死ぬ物狂いでやったのか?”という問いにも力強く首を縦に振る。この大学4年間が、ターニングポイントになった。

高校卒業時には、進路で岐路にも立たされた。「大学に行くことは決めていたけど、ゴルフを続けるのか、それとも勉強に専念するのか。勉強も嫌いではなかったので、何になりたいんだろうと、けっこう悩みました」。

結果的にゴルフを続けるという選択をし、東京国際大に進んだ。高田にプロへの意識が本格的に芽生えたのは、大学2年生になってから。そして4年生だった昨年のプロテストで“一発合格”を果たした。ちなみに同大ゴルフ部にとって、高田が創部以来初めての女子プロゴルファーだ。

「いつ上手になるかは、人それぞれ。私は遅かったけど、ここまでゴルフを続けてよかったなと、今だからこそ思える。『プロになるのは無理だろ』と思って、高校で競技をやめる選択肢もなくはなかった。しっかりと自分に向き合って、ここまでやってきたことが結果につながったと思っています」

吉田とは、昨年の日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)が毎年開く新人セミナーで再会した。そこで『おめでとう!』という祝福の言葉をかけられた。「やっと同じ土俵に立てた感じがする。負けないように…勝てるように頑張ります!」。かつてのチームメートは、ツアーではライバルという存在にもなる。

同期にはアマチュア時代から何度もツアーに出場してきた選手も多い。しかし高田が初めてJLPGAツアーに出たのは、プロテストに合格したものの、まだ入会前だったため“アマチュア”として出場した昨年11月「大王製紙エリエールレディス」だった。先週の試合が2試合目。なるほど、確かにまだまだ“未知の世界”だ。

「(ゴルフを続けたのは)いい選択でした。大卒でも遅くないよって思ってもらいたい」。プロデビュー戦はトータル12オーバーの89位という結果で、決勝まで進めなかった。「一瞬で終わっちゃいました」と苦笑いを浮かべるが、地元の知り合いに加え、大学のキャンパスが埼玉にあったため、そこからも応援にかけつけてくれた人たちに、プロとして初めて戦う姿を見せることもできた。

「プロのグリーンは速くて、硬かった。もっとスピンを入れられるように練習しないといけないですね」。いつも明るくニコニコと笑い、前向きな言葉も印象的。たとえ歩みは遅くても、目的地にちゃんと到達できることは高田自身が一番よく知っている。(文・間宮輝憲)

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