＜JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 初日◇23日◇宮崎カントリークラブ（宮崎県）◇6497ヤード・パー72＞
メルセデス・ランキング順に組まれる初日のペアリング。女王争いを繰り広げている1位・山下美夢有、2位・申ジエ（韓国）は最終組で“直接対決”。そして結果はともに「69」で引き分けとなった。
先にスコアを動かしたのは山下だった。1番でグリーン奥のラフからチップインバーディ。「強く入っちゃって、うまく傾斜で入ってくれたのでラッキーだった」。さらには3番でも30ヤード手前のバンカーから直接ねじ込むショットでバーディ。これには本人も“万歳”で、「まさか入るとは思っていなかった。なんかめっちゃうれしかったです」と、よろこぶ勢いで両手を天に上げて満面の笑顔を見せた。
そんなスーパープレーが飛び出した序盤だったが、そこからスコアはなかなか動かず、4バーディ・1ボギーという内容。「ショットが良くなかった。結構左右に曲がっていたけれど、きょうはショートゲームに助けられたなと思う」。パーオン率61％（11/18ホール）のラウンドは悩みながらのもので、納得できる一日ではなかった。
それでもジエとの“2サム”は奮起するひとつの材料にもなった。「私自身も気持ちが入って、すごい楽しく回れたというのが一番大きい」と、刺激になったようだ。
一方のジエは、5バーディ・2ボギーの「69」。13年連続14回目の出場というベテランだが、初日のピンポジション、特に後半についてはこれまで決勝に切られていたピン位置が多かったという。練習日にはなかった風が急に吹いてきて、2打目以降の距離感が難しくなったが、「このコースでの経験を思い出しながらいいプレーができた」と振り返る。
山下との2サムは、ジエにとっても大歓迎。「今年結構（一緒に）回ったし、強い選手なのは知っている。初日だけど最終日みたいないい緊張感が持てて、一緒に回ってよかった」。そしてふたりは2日目も、最終組の2つ前（午前10時46分スタート）で同組でプレーする。
三つ巴の女王争い。ランキング3位につけてふたりを追いかける岩井明愛は5バーディ・2ボギー・1ダブルボギーの「71」で回り、10位タイからスタートする。幕が切って落とされた最終戦での争いは、ここからさらに熱を帯びていく。（文・笠井あかり）
