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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】女子ツアー2019年の可能性と責任

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】女子ツアー2019年の可能性と責任

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2019年1月1日 17時36分

ゴルフが息の長いスポーツだといっても、一生、ツアーで稼ぎ続けられるわけではない。テレビ解説などの仕事ができる者もほんのひと握り。セカンドキャリアとして一番多いのがレッスンとあって、第一線の選手たちもそちらについて知っておく必要がある。

放映権の帰属を主張し、テレビ局やトーナメント主催者とLPGAが水面下で話し合いを続けているあいだ「選手(の仕事)はいいプレーをして皆様に笑顔を届けることだ」と執行部からいわれてしまい、その場は話が終わってしまった選手たち。だが、きちんと自分たちが置かれている状況がわかっていれば、自分たちの意見を主張することもできたはずだ。ジュニア時代からゴルフだけをしてきて、ゴルフ以外のことはわからない、というのでは(実は理事会にも同様のことがいえるのだが)周りのいいようにされてしまうからだ。

若くても、トーナメントの仕組みや、自分たちが置かれている状況を理解することは仕事の一部でもある。その上で、自分たちがもっとよくなるためにはどうしたらいいか、社会貢献というプロアスリートのするべきことはどうしたらできるのか、なども考える必要がある。

保護者の敷いたレールの上を歩き、マネジメント事務所のいいなりになっていては、プロとして稼ぎの多い選手ほど、いいように利用されやすくなってしまう。選手を取り巻く大人たちの数は、トッププレーヤーになればなるほど多くなる。意識している場合も、そうでない場合もあるが、テレビ局や代理店、運営会社、メディア、メーカー、キャディなど、様々な大人たちが様々な形で選手たちを“洗脳”しようとする。それに対して、自分なりの考えを持って判断することができなければ、本当にただ洗脳されるだけになってしまう。つまり、自分たちというよりも、彼らにとって都合のいい考えを身に着けてしまうというわけだ。

同様のことは、先輩プロたちが取り仕切るLPGAに関してもいえる。ゴルフの世界だけに限ったことではないが、日本では老若男女を問わず、日常的に政治的な話を口にすることをためらう傾向がみられる。しかし、それは無責任な人間を増やすだけ。もっと、自分の意見をしっかりと持ち、しがらみにとらわれることなく発言していくことが必要だ。

逆に、意見が違う人の話にも耳をしっかりと傾けることも必要。その上で、折り合うべきところは折り合い、譲れないところは譲らないこと。社会人として、いや人間として大切なことを、きちんとできるようにならないと、この先、苦労することになる。

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