<ニチレイレディス 2日日◇20日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6590ヤード・パー72>
注目ルーキーの笑顔をやっと見ることができた。18歳・吉﨑マーナが5バーディ・1ボギーの「68」で回り、首位と5打差のトータル6アンダー・11位タイで決勝へ。「ようやく、本来の自分のゴルフを取り戻せているように感じます」とうなずいた。
ローアマチュアの常連として活躍し、沖縄カトリック高3年生だった2025年「日本ジュニア」で優勝。同年のプロテストも一発合格でクリア。まさに順風満帆のプロ入りだった。だが、QTはファーストで敗退して149位。今季ここまで主催者推薦で出場したレギュラー5試合は、地元・沖縄開催の開幕戦を除いてすべて予選落ち。下部ステップ・アップ・ツアーでも上位争いに絡めなかった。
「ゴルフ人生のなかでどん底を見るような期間でした。ゴルフがきついな、という思いも初めて経験しました」。開幕戦から地元に帰る余裕もなく、「海が恋しいです」とつぶやく。
プロとして生活していかなければならないという葛藤と戦いながら悩む日々を支えてくれたのは、友達やトレーナーたちの存在だった。「話を聞いてもらったり、全力でサポートしてもらったり。いろんな人に助けられています」。さらに、新しい取り組みをしていた練習や、慣れてきてしまっていたトレーニングを一度リセット。すべて「基本」に立ち返り、ゼロから見直した。
そして、今大会の主催者推薦選考会(チューズデートーナメント)を通過して、自ら出場権を獲得した。「予選会を通ったらお願いしたいとダメ元で伝えていた。比菜ちゃんも出るとなって重なっちゃってヤバいなと思ったけれど、引き受けてくださった」と、新垣比菜の兄でキャディーを務める我如古夢蔵さんが、バッグを担いでくれることになった。
出場優先順位を見直す第1回リランキング前の最後の一戦。現在リランキング77位につけているなか、大逆転も見えてきた。「(今後の)試合がかかっていると思うと大事だけど、そこにとらわれていたらいい結果は出ないので…。苦しい時間を過ごしてきたのも、これからジャンプするための期間と捉えて前向きにできている。あしたもやるべきことをやりたいです」
主催者推薦で出場した選手の優勝はこれまで8例あるが、予選会通過者による勝利となればツアー史上初。苦しみ抜いた18歳が、大きな飛躍へのチャンスをつかもうとしている。(文・笠井あかり)
■主催者推薦からのツアー優勝
1990年「大王製紙エリエール女子オープン」村井真由美
1992年「安比高原レディース」肥後かおり
1998年「カトキチクイーンズ」上田珠代
2023年「アクサレディス」山内日菜子
2024年「アクサレディス」臼井麗香
2025年「アクサレディス」工藤遥加
2025年「パナソニックオープン」菅沼菜々
2026年「Vポイント×SMBCレディス」笠りつ子
