<日本女子オープン 事前情報◇30日◇宝塚ゴルフ倶楽部 旧コース(兵庫県)◇6185ヤード・パー70>
「私のなかで、なんで一番メジャーを獲りたいかと言うと、ジャンボさんと約束したからです。この大会が約束している大会でもあるので頑張りたい」
佐久間朱莉にとって、日本一の女子ゴルファーの称号は、どうしても手にいれないといけないもの。開幕を目前に控え、真っすぐと前を向き、その決意を明かす。
今年の舞台は、開場100周年を迎える関西の名門。「グリーンが小さくて、インコースはアップダウンがきついですね」。初めて回るコースで、特に印象に残ったのがコースの特徴だ。アウトとインに3つずつ、パー3が計6つある。「またショート(パー3)か~って思いました」。笑顔を交えながら印象を話すが、「全体的に(パー3は)ロングアイアンからユーティリティの距離なので、そこがキーになる」と、そのまま警戒ポイントに挙げた。
長めのクラブで小さいグリーンを狙うことになるが、プロアマが行われた29日(火)は雨が降り続く一日だった。一方、開幕前日の30日(水)は快晴。時間が経つにつれてグリーンが乾き、硬くなることも想定される。ただ、コースは6185ヤードと短く、優勝を目指すうえで「15アンダー」は必要だと考えている。
30日には18番ホール脇のテントで、『日本ゴルフ殿堂 殿堂入り式典』が開かれた。2023年までの『日本プロゴルフ殿堂』が発展的に解消され、新たに発足したものだ。プロゴルファーに限らず、日本ゴルフ界の発展に寄与、尽力した人物が顕彰される。その記念すべき第1回のプレーヤー部門には、佐久間の師匠で、昨年12月23日に亡くなった尾崎将司さんが選ばれた。
「ジュニアの頃からずっとお世話になっていた方が殿堂入りして、そんな方に教えてもらえたのはよかったなと思います」。現在メルセデス・ランキング2位の佐久間にとって、同1位に立つ桑木志帆との差733.13ptを埋めることも大事だが、ここで勝つ意味を考えれば、やはり師匠の存在は大きい。
アマチュア時代の佐久間が初めて出場したトーナメントが、我孫子ゴルフ倶楽部(千葉県)で開催された17年の日本女子オープンだった。このとき、予選ラウンドで一緒にプレーしたのが、後に“姉弟子”となる原英莉花。そして、その原のキャディを務めていたのが尾崎さんの長男・智春氏だった。さらに尾崎さんの関係者も観戦に訪れており、この大会をきっかけにジャンボ軍団の門をたたくことになった。「いろんな縁がある大会なんです」。思い入れは強い。
2週前の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」で優勝。先週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」も6位と上位争いが続いた。疲労も重なり、29日に行われたプロアマは胃腸炎のような症状が出たため欠場した。まだ万全ではない。それでも30日にはしっかりと9ホールを回り、最終調整を行った。
尾崎さんは通算113勝のうち、「日本オープン」で5勝(1974、88、89、92、94年)を挙げている。原も女子オープンで2勝(2020、23年)を誇る。佐久間にとっては今年が9度目の出場で、昨年は2位という結果を残した。「しっかりと自分と向き合って、いいプレーをしたい」。師匠が殿堂入りを果たした週に、女子オープン覇者として歴史に名前を刻みたい。(文・間宮輝憲)
