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ご褒美付きのノーボギー「66」で上位発進 片岡尚之は“苦悶”の殻を破る最終戦へ

片岡尚之が「66」をマークし、4アンダー・2位タイ発進を決めた。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2024年11月29日 09時46分

<ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日◇28日◇東京よみうりCC(東京都)◇7002ヤード・パー70>

30人しか出場できないエリート舞台に、4年連続4度目の出場をしている26歳・片岡尚之が好発進を決めた。全体で唯一のノーボギーで、1イーグル・2バーディの「66」をマーク。4アンダー・2位タイで2日目を迎える。

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スコアだけを見れば、安定したプレーに思えたが「朝の練習から本当に(ショットが)ひどくて、ちょっともう無理だねってスタートに行った」と不安を抱えたまま一日を迎えていた。フェウェイキープは14ホールのうち6回、パーオンしたのは11回で「なんとか練習場よりは少し良くなったというか、なんとなく合わせることができました」と、ショット後に手を離すことも何度か見られたが、大ミスには至らなかった。

要因はマネジメントの徹底と得意とするショートゲームだった。「このコースは(グリーンの)傾斜がすごいので、外すところをしっかり決めていった。そのマネジメントがすごく上手くいって、いいところ外して、“寄せワン”のパーでしのいで、チャンスでしっかり獲ることができたのでよかった」。この日全体のパーキープ率は100%(1位)と、ゴルフの調子が万全ではない状態のなか、スコアをまとめた。

そして後半の17番パー5では“ご褒美”もあった。風は向かい風(アゲンスト)が強く吹くなか、ティショットをフェアウェイにキープ。「(風が)すごく上げていて、2打目があんなに残ると思わなくて、セカンドは直ドラで打ちました。そしたら10メートルぐらいに乗ってくれて、入ればいいなぐらいで打ったら…」とそれを1パットで沈めてイーグル奪取。実はそれまで3、4メートルのバーディパットを決めきれないことが続き「少し我慢だなと思ったら…」と“まさかの”イーグルに喜んだ。

今年は5月の「中日クラウンズ」で優勝争いをして、惜しくも2位。上位で初日を終えたのは、同月の「For The Players By The Players」で「65」をマークしたときの首位発進以来だった。「もう本当に、中盤から後半戦は全然いい試合がなくて、ずっと予選を通るか通らないかで上位に行けていなかった」。中盤戦で4度の予選落ちを喫していた。

「何をやっても、コーチと2人で話し合っても解決できるのが何カ月も続いた」と苦しい時期が続いていた。片岡は今大会開催前の水曜日も陽が暮れ始めて薄暗くなるなか、関係者にスマートフォンのライトを照らされながら練習していた。さらに2週前の「ダンロップフェニックス」でも本戦中でもありながら2時間ほどひたすらハーフスイングのショット練習をしている姿もあった。「今年は基礎練習が足りなかったというのをすごく思って」とスイングの土台ともなる基本練習に取り組んだ。「まだまだ足りない」というも、努力が結果で現れた一日となった。

「久しぶりにこうやって上位行けたのがうれしかった。まだ1日目なのでわからないけど、集中していいゴルフできればなと思っています。本当に優勝しないとなって思っていますし、なんとか今年も出られたことは本当にうれしいので、この最後いい締めくくりができるようにしたい」。これまで苦しみながらも諦めずに試行錯誤を続けてきたからこそ、この最終戦は来年の自信につながる4日間にしたい。(文・高木彩音)

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