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これ以上捕まりません 幡地隆寛の好調要因は”出っ歯”にあり?

先週の「関西オープン」で国内男子ツアー初Vを決めた幡地隆寛だが、こだわり抜いたクラブが好調を支えている。

所属 ALBA Net編集部
齊藤 啓介 / Keisuke Saito

配信日時:2024年5月23日 01時00分

<~全英への道~ミズノオープン 事前情報◇22日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>

バックフェースに鉛がべったり、そして市販モデルとは異なるデザインの番手刻印。先週の「関西オープン」で国内ツアー初優勝を果たした幡地隆寛の好調要因はこだわりが強すぎるアイアンの存在があった。

ドストレート! これが幡地のアイアンです【写真】

アジアンツアーで優勝を飾ってから調子はうなぎのぼりだが、それにはアイアンの”ある”仕掛けが大きく影響していた。昨年から幡地は”捕まる”悩みがあり3番アイアンが「620CB」、4番アイアン以降が「620MB」の流れは変わらないものの、「620MB」にいくつか調整を施した。

同モデルのオフセットは少ないものの、それでも捕まる印象を持った幡地は、ロフト角を寝かせてオンセットにした。ただ、見え方は”出っ歯”になるが寝かせた分、バウンス角が増加してしまうため、そこを削って調整している。「今年からストレートネックにしたことで、違和感を無くせたことが大きかった」と納得の仕上がりとなっている。

また、クラブ担当者によるとアイアンのシャフトは通常よりも硬いシャフトにする“番手ずらし”を行っている。本来挿入されるべきシャフトを前の番手に入れており、幡地は”2番手ずらし”、つまり7番アイアンだと9番アイアンのシャフトが挿してあって、ここでも”左”に行かせない意志が感じられる。

さらにグリップの挿し方にもこだわりがあるようで、1メモリ短めに挿入しているという。一体どういうことか。グリップはテーパー(グリップエンド側から先端にかけて、少しずつ細くなっていっている)のため、右手と左手の握り心地も変わってくる。グリップを伸びきるまで挿入すればその分薄く感じるが、伸びきる前に少し余裕を持たせて挿入すれば右手側に厚みがでるということだ。グリップ口径は60で中のテープは3巻と太目の仕様となっている。

こうして、理想の形になったアイアンで「ニュージーランドオープン」、「関西オープン」を制覇。連勝と行きたいところだが今大会が行われる「JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部」は苦手だとトーンダウン気味。それは2015年と16年に本コースで挑んだサードQTに敗退した苦い思い出があるから。「2年連続で落ちてるんで、『ゴルフやめよう』って思ったぐらいのコース」。

それでも「調子は良いので、上位を狙っていけたらいいです」。かつてないほどの上昇気流に乗る幡地は”出っ歯の相棒”とともに苦手払拭と行きたい。(文・齊藤啓介)

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