<フォーティネット プレーヤーズ カップ 最終日◇25日◇成田ヒルズカントリークラブ(千葉県)◇7105ヤード・パー71>
1打リードの単独首位で最終日を迎えた藤本佳則が、5バーディ・ボギーなしの「66」をマーク。2位に4打差をつけるトータル15アンダーで逃げ切り、今季2勝目、ツアー通算4勝目を飾った。初日から首位を守り抜く完全優勝。その裏には、結果だけでは見えてこない奮闘があった。
初日に「66」、2日目に「68」、3日目に「69」、そして最終日も「66」。4日間すべて60台を並べたが、実は「きのうまでショットが当たらなかった」と明かす。それでも、「勝ちに行くという気持ちはあったので、そのおかげでショットが当たってくれたのかもしれません」と振り返った。
さらに、3日目のラウンド後の練習でひらめきがあった。「これならハマるんちゃうんかな」と感じた修正を、最終日の朝も確認。「半分賭けでしたけど、朝打ったら意外といいじゃん、いい勝負できるんちゃうかな」と手応えをつかみ、スタートを迎えた。
その“賭け”とは、ダウンスイングでクラブを下ろす軌道の変更だった。「シャフト1本半ぐらい変えている」という修正。「選手からすると大きな変更ですけど、映像みたら分からないと思うので、感覚の話です。風が強いなかでは大きな賭けでした」と説明する。プロならではの繊細な感覚を頼りに、これまでよりシャフト幅1本半ほどインサイドからクラブを下ろすことを意識した。
その効果は序盤から表れた。1番は135ヤードからPWで5メートルにつけてバーディ。2番パー5ではアプローチを1メートルに寄せ、3番は90ヤードから3メートル、4番は4番アイアンでカップそばにつけた。出だしから4連続バーディを奪うと、8番でも3番アイアンで5メートルにつけるなど、ショットとパッティングがかみ合い、スコアを伸ばした。
後半は風速7~9m/sにもなる強風が吹きつけた。前半のようにバーディを重ねる展開にはならなかったが、そこも想定内だった。「あれだけ風が吹くとバーディが難しいと思っていたので、僕自身はパーを消化していくつもりでした」。無理に攻めず、パーを積み重ねてリードを守った。強風のなかでもフェアウェイを外したのは14ホール中4ホールにとどめ、ボギーなしで逃げ切った。
優勝争いのさなかに、前日ひらめいた修正を実践した藤本。その姿勢について、自身はこう分析する。
「勝負事で、勝たなあかんということも大事ですけど、なにかいいことを見つけることを優勝争いのなかでもやってしまうのが、自分の良いところでもあり、悪いところでもあると思います」
勝つために目の前のプレーに集中しながら、新たな可能性も探る。その姿勢が結果へつながり、“賭け”に見事に勝った。
