<フォーティネット プレーヤーズ カップ 最終日◇25日◇成田ヒルズカントリークラブ(千葉県)◇7105ヤード・パー71>
大会最終日の10月25日に37歳の誕生日を迎えた藤本佳則が、初日から首位を守り抜く圧巻のプレーで完全優勝を果たした。今年5月の「関西オープン」で13年ぶりの勝利を挙げて以来、5カ月ぶりとなるツアー通算4勝目を手にした。
後半17番のプレー中から雨が降り始め、表彰式は大雨のため中止に。優勝カップを掲げての写真撮影などを終え、藤本がクラブハウス内に戻ると、東北福祉大ゴルフ部時代の後輩で、時にはキャディも務める35歳の皆本祐介らが誕生日のサプライズを用意していた。藤本が厚い信頼を寄せる後輩からの粋な計らいだった。
皆本から贈られたバースデーケーキのプレートには、『佳さんお誕生日おめでとう』の文字。皆本からケーキを受け取った藤本は、満面の笑みを浮かべながらも、どこか照れくさそうな表情を見せた。会見では、そんな皆本への思いを語った。
「ずっと一緒に練習している後輩ですし、ショットもすごく上手い選手。僕は皆本くんのことをリスペクトしている部分がすごくある。僕よりショットは上手いと思っていますし、そういう子が僕についてきてくれて、学んでくれていることは、すごくありがたいです。皆本くんにはすごく期待していて、頑張ってほしい気持ちがすごくある。こうしてケーキを用意してくれるところの人間性。ああ見えていいヤツなんです」
最後は報道陣の笑いを誘ったが、その言葉からは皆本への深い信頼と期待が伝わってきた。互いをリスペクトし、刺激を与え合う二人の関係性が見える、心温まるひと幕となった。
今回の優勝でポイントランキングは2位に浮上。トップを走るのは、今年メジャー2勝を挙げた23歳の細野勇策だ。その差は678.249ポイント。残る試合で差を詰め、年間王者の座を狙っていく。
「まあ、まあ、まあ。ポイントの差はあるのでわからないけど。彼のほうが若いですし。きょうで37歳なので、その辺も考えながらやりたいと思います」
笑いを交えながらも、年齢やポイント差を冷静に見据える。残りのシーズンでどこまで差を縮められるか。ベテランらしい落ち着きを見せながら、さらなる高みを目指していく。
「ハッピーです。なかなか誕生日に優勝できることはないので、37歳、いい一日になりました」。自身の誕生日を最高の形で彩った。37歳のスタートは、忘れられない一日になったに違いない。(文・高木彩音)
