今年5月の「関西オープン」では、13年ぶりとなるツアー通算3勝目を挙げた。それからわずか5カ月で4勝目。2011年のプロ転向以来、年間2勝は初めてだ。
「感慨深い」と口にしながら、「3勝目するのに12年以上かかったのに、すぐ5カ月で優勝するのは、なんなんでしょうね…」と振り返った。プロ1年目に初優勝を飾り、2019年までシードを維持。しかし、2020-21年シーズンには獲得賞金0円という苦い経験も味わった。その後は下部ツアーを主戦場に戦ってきた。
「僕にとって、それはいい経験。一人で考える力というのは、昔より今のほうがついていると思う。ダメになってACN(下部ツアー)に行ったことは自分には生きていると思います」
そう前向きに振り返る一方で、当時は葛藤もあった。「デビューして何年かレギュラーにいて、そこから下に行くということを受け入れられない自分もいました。認めるのに数年はかかりましたね」。
環境の変化をすぐには受け入れられなかった。それでも、下部ツアーで戦う選手たちのレベルの高さを肌で感じ、思うように勝てない経験も重ねた。
その苦闘も、今となっては成長の糧になっている。経験を積み、年齢を重ねたことで、プレーに向き合う姿勢も変わってきた。「ある程度歳がいって、考え方が良くなっているのかもしれないです。若いときはガツガツ行っていた。それがいい面でもあり、悪い面でもあると思う。そういう意味では、状況判断というか、落ち着いて周りが見えている」。
若い頃の勢いに、経験から得た冷静さが加わった。状況を見極め、必要ならば思い切った修正にも踏み切る。最終日に見せたプレーは、そんな37歳の実力者だからこそできた戦い方だったのかもしれない。(文・高木彩音)
