<ドラッグストア・コスモスカップ 最終日◇4日◇グランフィールズカントリークラブ(静岡県)◇7156ヤード・パー70>
シャイな岩田寛が珍しくガッツポーズ。勝利を手繰り寄せた最終ホールのバーディパットに、何を思ったのか。
5打差のリードを持って臨んだ最終日は「1番から必死」な一日。中盤までは盤石の態勢だったが、後半の13番でボギー、15番でダブルボギーと貯金を切り崩し、最終ホールを迎えた頃には勝亦悠斗に1打差まで迫られた。
その18番、セカンドを先に打った岩田はピン右サイド3メートルにつけた。一方の勝亦は、マウンドを超える6メートルの難しいラインが残った。
岩田が優勢、と思われたシチュエーションで、勝亦のボールはラインに乗り、意地のバーディ奪取。雄叫びをあげてガッツポーズを見せ、会場も大いに沸いた。
バーディパットを沈めなければプレーオフ。先にプレッシャーをかけられた岩田だが、それをものともせずにあっさりと決めて見せた。カップインする前に確信歩きを見せ、ガッツポーズ。
その心境を尋ねると「見たか」と岩田節を効かせる。先に決めた勝亦へ、お返しとばかりのパフォーマンスだったと、冗談交じりに話す。
「(勝亦の)叫び声が聞こえた。それがなかったら入らなかった。この野郎と思いました」とニヤリ。本心かどうかは分からないが、勝亦のバーディパットが冷静沈着な岩田に火をつけたことは間違いない。
今季メジャー初戦での勝利に続く2勝目。ここまで14試合を消化し、14人の勝者が誕生する群雄割拠のシーズンとなっているが、その流れを45歳が止めた。
また、ツアーでの勝利数を9まで積み上げたが、うち7勝は40歳以降に手にしたもの。年齢を重ねて強さを増しているが、「単純に上手くなりたい」という気持ちが岩田を突き動かしている。
この勝利でポイントランキングも2位に浮上した。11月の「ダンロップフェニックス」終了時点で1位だった場合、米国男子ツアー予選会に最終ステージから出場することができる。また、年間王者に輝けば、DPワールド(欧州)ツアーへの出場資格も手に入る。
「両方頭にある」。45歳にしてさらなる可能性を感じさせる、それほどまでに脂が乗っている。(文・齊藤啓介)
