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プレーオフに持ち込む劇的イーグル マキロイが大逆転で“凱旋V”

プレーオフに持ち込む劇的イーグルを披露。マキロイが“凱旋帰国”で大逆転勝利を挙げた。

所属 ライター
武川 玲子 / Reiko Takekawa

配信日時:2025年9月8日 09時30分

<アムジェン・アイルランドオープン 最終日◇7日◇ザ・Kクラブ(アイルランド)◇7441ヤード・パー72>

ローリー・マキロイ(北アイルランド)がプレーオフ入りを賭けたイーグルパットを沈めると、見守った大観衆から大歓声が上がり、その声は海を渡ってニューヨークまで届いたかもしれない。マキロイは右手を力強く握りしめ、歓声に応えた。

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首位に4打差の4位でスタートした“準地元”の英雄は、17番までに4つスコアを伸ばしてトータル15アンダー。最終18番パー5(548ヤード)では、先にホールアウトしたヨアキム・ラガーグレン(スウェーデン)に追いつくにはイーグルが必須の状況だった。雨が止み、難しい風が吹く中、フェアウェイからピン手前約8メートルにつけると、強気に打ったパットを見事に沈めてイーグル。土壇場でラガーグレンに並ぶと、コースは「ローリー」コールに包まれた。

プレーオフは18番の繰り返し。2ホール目まではマキロイ、ラガーグレンともに2オン2パットのバーディで分け合ったが、勝負を分けたのは3ホール目だった。マキロイがドライバーショットを右ラフに入れたのに対し、ラガーグレンはフェアウェーをキープ。ラガーグレン有利かと思われた。

しかし、力尽きたのはラガーグレン。フェアウェーから放ったセカンドはピンにまっすぐ向かったものの、最後にフックしてまさかのグリーンサイドの池へ。呆然とするラガーグレンを尻目に、マキロイは深いラフからグリーンをとらえ、ピン右15メートルに乗せた。俄然有利となったマキロイは、イーグルパットこそわずかに届かなかったがタップインでバーディ。ラガーグレンはチップインを狙った第4打がカップを通り過ぎ、勝敗は決した。

4月の「マスターズ」を制してキャリアグランドスラムを達成して以来の勝利を凱旋で迎えたナショナルオープンで飾ったマキロイも興奮を隠さなかった。「こんな勝ち方ができるなんて、本当に幸運だ。しかもこんなにたくさんの人の前で勝てるなんて・・・」とマキロイ。「今週はずっとこんなにもたくさんの人にサポートしてもらった。本当に素晴らしいものだった」と感慨深く語った。

マキロイがこの開催コースのザ・Kクラブで勝利するのは2016年以来2度目。今年は1月にシグネチャーイベントの「AT&Tペブルビーチ・プロアマ」を皮切りに、「プレーヤーズ選手権」、そしてマスターズを制している。

「グリーンジャケットを着て帰って来られることは素晴らしい帰郷になると思っていた。でも、これほど素晴らしい経験になるとは思っていなかった。全ての予想をはるかに超えていた。今週、みんなのためにこんなプレーができて優勝できたことが、ただただ本当に、本当にうれしい。2025年は間違いなくキャリア最高の年の一つ、いや最高の1年として記憶されるだろう」と、何度も喜びを口にした。

マキロイは次週、DPワールドツアーのフラッグシップ大会「BMW PGA選手権」に出場。そして、いよいよライダーカップの開催地・ニューヨークへと向かう。(文・武川玲子=米国在住)

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