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昨季の獲得賞金0円で「ゴルフをするのが嫌だった」 下部で初戦を迎える藤本佳則の苦悩と光明

昨季の獲得賞金0円で「ゴルフをするのが嫌だった」 下部で初戦を迎える藤本佳則の苦悩と光明

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2022年4月5日 16時00分

ショットは曲がり、ピンチに陥っても得意のショートゲームで何とかパーセーブするラウンドが続いた。「5(ボギー)寄りの4(パー)ばっかり」。藤本でなければ80台が連発してもおかしくなかった。パープレー付近では回れることができても、アンダーパーを出すのは難しい。「5月、6月、7月頃はゴルフするのが嫌になっていた。試合に出てもどうせダメなんだろうなっていうマインドでしたから」。スイングも立て直せず、それでもあきらめずに大会には出場し続けた。

■流行の理論も手伝って悪癖を見抜けなかった

「今、昨年のスイング動画を見ると何が悪いか分かるけど、昨年は動画を見ても悪い原因が分かっていなかったんです」。シーズン中は自分の悪い部分を気づけなかったが、シーズンを終えるとその原因がつかめた。アドレス時の前傾角度が深すぎてバックスイングでアウトサイドに上がり、ダウンスイングでクラブが寝てくる。フェードヒッターの藤本のゴルフ人生で初めてクラブが寝る形になっていた。

本来であればすぐに気づく点だが、ここ数年シャローイングと呼ばれ、ダウンスイングでクラブが寝ることはいいという理論が多い。「いろんな人にスイングを見てもらっても、ダウンがあかんという人はいなかったし、自分もそういうマインドにはなっていなかったんです」。

先輩選手やコーチら、多くの人に話しを聞いたが「結局、自分で分からないと本当の答えにならないと思うんです」。アマチュア時代から藤本を見ている阿河徹コーチ、トレーナーと相談しながら、自分なりの答えを見つけた。以前のように棒立ち気味に構えて前傾角度を浅くするなど修正を始めた。

「いい方向に進んでいると思います。ボチボチですよ」。以前のようなキレのあるフェードボールを取り戻しつつある。今季レギュラーツアーに出場できるのは推薦のみ。「ABEMAツアーで今やっていることの自信を取り戻して、シード復活できるようにがんばります」。獲得賞金0円のシーズンから再起をかけて、今季初戦を迎える。(文・小高拓)

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