「ヤマハレディースオープン葛城」で通算3勝目を挙げた高橋彩華。正確なショートゲームと精度の高いショットを誇る彼女のスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも教えてもらった。
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昨季パーオン率1位に輝いたツアー屈指のショットメーカー。プロテストに合格した頃にコーチングをしていたのですが、本当にショットが上手く、課題はショートゲームだけというタイプでした。調子が落ちるとクラブが下から入りやすくなる傾向がありましたが、現在のスイングを見ると、そうした心配もなさそうです。
大きな変化が見られるのはトップです。以前に比べてシャフトが深い位置に入っています。トップが深くなることで、シャフトのしなりをより大きく使えるので飛距離につながります。体を深く回すわけでもなく、手首の角度を変えたわけでもない、バックスイングでクラブがややインサイドに上がっていたのを、オンプレーンに軌道を変えたことでトップでのシャフトの収まる位置が変わったのだと思います。シャフトが地面と平行になるまで体が回り、フェース向きはスクエアに保たれています。
バックスイングでインサイドに上げればトップでシャフトはクロスしやすく、反対にアウトに上げれば寝やすくなります。高橋さんはプレーン上に上げているので、理想的なポジションに収まっているのです。軌道が良くなったことで、厚い当たりが可能となりました。無理にボールをつかまえるような動きもなく、体がしなやかに動いているのも再現性を高めていると思います。
理想のトップを作るのは、スイングを安定させるために大切なポイント。そのためには、まずはどんなトップを作りたいか、先にトップを決めることから始めてみてください。鏡の前で、理想とするトップを作ったら、そこからアドレスに戻します。その過程で、腕や体はどんなルートを通り、どんな動きをしているのか、体に覚え込ませます。トップからアドレスへ、動きを逆再生するのが肝。トップが安定しない人は、アドレスからトップへ、通常の動きではどんな動きをすればいいのか、理解できておらずバックスイングの動きを難しくしています。理想の形から、スタートに戻すのが効率の良い練習になるんです。
注意点はアドレスで手元を先行し過ぎないこと。良い動きがわかってきても、手元が先行する形だと、始動で手首が使いやすくなって思い描いた動きがしにくくなります。トップでもできるだけアドレスの手首の形をキープすること。左手首を甲側に曲げてしまうとフェース面がコントロールできなくなり、スイングが複雑になるので注意してください。
■高橋彩華
たかはし・さやか/1998年生まれ、新潟県出身。2018年にプロテストに合格し、19年に初シードを獲得。20-21年シーズンは21試合でトップ10に入る活躍で1億円以上を稼いだ。22年に「フジサンケイレディス」で初優勝。25年「宮里藍 サントリーレディス」で3年ぶりの勝利を挙げた。26年に「ヤマハレディースオープン葛城」で通算3勝目を記録。サーフビバレッジ所属。
■解説:南 秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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