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復活のタイガー・ウッズのアイアンスイング〜フェースをネジらず体のターンでフェードを打つ

一流選手の連続写真から本当にアマチュアが学べるポイントだけを、プロコーチのパイオニア内藤雄士がクローズアップして解説。タイガー・ウッズのアイアンはどう変化しているのか?

配信日時:2019年2月19日 12時00分

タイガー・ウッズのアイアン連続写真(前方)

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タイガー・ウッズのアイアン連続写真(後方)

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腕ではなく、胸の回転でフェースをスクエアに

「タイガーが復活できたのはアイアンがすごく良くなったことが大きいです。スイングで最も変わったのは、ダウンスイングからフォロー。

 腰の怪我が治っていないときは、ダウンスイングの途中で前傾がキープできなくなって、I字(棒立ち)に立つ感じでした。それは痛みの再発が怖く、意図的にそういう動きをしていたと思います。

 いまは胸椎だけを回す動きができていて、コイルのように上半身だけを回せるから前傾をキープしたまま、胸を回転できている。胸が回転するからフォローでヘッドが低い位置に動かせることもショットが安定した要因です。

 スイングもすごく“イマドキ”になっています。若い頃のタイガーはもっとバックスイングで腕を回して、フェースを開き、ダウンスイングでは腕を絞って、フェースを戻してきていた。

 それがいまは、少しシャット気味に上げて、フェースローテーションを少なくしています。腕の回転が少なくなって、胸の回転でフェースを少し開いてフェードを打っているのです。

 腕ではなくて、胸を回してフェースコントロールするのはダスティン・ジョンソンなど現代のアスリート選手と共通する部分。胸の回転に合わせて、常にフェースがスクエアなスイングなので、すごく合理的です。

 年齢や体に合わせた進化を遂げていて、かなり全盛期に近い仕上がりになっていると思います」

右足の粘りができたらスイングは100点満点?

年間にツアー8勝、メジャー2勝を挙げていた06年。インパクトの瞬間に、右足のカカトまで地面についているので、ダウンスイングのパワーが全て下方向のボールに伝わる。全盛期に比べると、右足の粘りが少なくなり、カカト部分が浮いていて、やや迫力がないスイングに。それでも上半身は前傾をキープしているので、大きな乱れはない

年間にツアー8勝、メジャー2勝を挙げていた06年。インパクトの瞬間に、右足のカカトまで地面についているので、ダウンスイングのパワーが全て下方向のボールに伝わる。全盛期に比べると、右足の粘りが少なくなり、カカト部分が浮いていて、やや迫力がないスイングに。それでも上半身は前傾をキープしているので、大きな乱れはない

タイガー本人もフォローに不満!?

「この1年間でスイングは驚異的に良くなりましたが、タイガー本人も100点とは思っていないでしょう。さらに改善できるポイントは、インパクト前後での下半身の粘りです。

 いまはまだ、右腰を浮かせて、少しパワーを逃す動きがあります。右足にも少し粘りがない感じで、右踏ん張りきれていない部分があります。インパクト前後でもっと右足にパワーが溜まっていれば、さらに胸の回転スピードは上がります。

 いまでもほぼ完璧なスイングに近づいているのですが、タイガーだけにもっと上を目指していることでしょう。おそらく、タイガー本人も今のフォロースルーの形は好きじゃないと思いますよ」

解説・内藤雄士(ないとう・ゆうじ)/1969年生まれ。ツアープロコーチの第一人者として丸山茂樹のツアー3勝をサポート。現在はツアープロのコーチングをしながら、PGAツアーの解説者としても活躍。

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