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マスターズ完全Vまであと1日! マキロイは、傾斜を足裏で感じて立つから正確なショットが打てる【四の五の言わず振り氣れ】

2024年でツアーから撤退した上田桃子や25年プロテストに合格した藤本愛菜、千田萌花が在籍している「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。今回はオーガスタの激しい傾斜でも正確なショットを打つマキロイについて聞いた。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2026年4月12日 12時00分

2024年でツアーから撤退した上田桃子や25年プロテストに合格した藤本愛菜、千田萌花が在籍している「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。今回はオーガスタの激しい傾斜でも正確なショットを打つマキロイについて聞いた。

【連続写真】見事な軸回転! マキロイのアイアンスイング

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少し古い話をしたいと思います。ローリー・マキロイのキャリアグランドスラム達成で幕を閉じた、昨年のマスターズ。松山英樹プロが優勝した21年も興奮しましたが、それとはまた別の感動と最後の最後まで手に汗握る興奮がありました。

実は一昨年、取材のために初めてオーガスタを訪れる機会をいただきました。マスターたちの競演を間近で見られた幸せは、言葉でなかなか言い表せません。さらにメディア関係者の中で抽選に当たり、翌日、オーガスタでプレーする機会までいただきました。特にアーメンコーナーは、これまでテレビで観ていただけでは分からない難しさを肌で感じました。

ボクが感じた難しさとは、一言で表すと傾斜との戦いです。オーガスタにはまず平坦な場所はありません。それは中継に映るグリーンの傾斜だけでなく、ラフもフェアウェイも……。そしてこの傾斜を克服するために、すべてのマスターたちには、絶妙にボールを曲げることが要求されます。昨年その傾斜との戦いに打ち勝った者がマキロイであり、プレーオフに持ち込んだ44歳のジャスティン・ローズでした。

さて、ゴルフのレッスンには、体重配分について言及するものが数多くあります。曰く、カカト体重、ツマ先体重、右足体重、左足体重……。トップで右足にしっかり乗った体重をダウンスイングで左足に移動……といった具合です。

バランス良く立つことは、スイングにおいて基本中の基本だとボクは思っています。しかし、その前提となるバランスとは、何に対するバランスでしょうか。結論を急げば、それは傾斜に対してのバランスです。

オーガスタほどではないにせよ、いかなるコースであっても平坦な場所はありません。つまり傾斜地からショットを打つのがゴルフなのです。そしてコースを克服するとは、傾斜地に応じたボールを打つことであり、その前提となるのが『傾斜地に対しバランス良く立つ』ことではないでしょうか。オーガスタでプレーをさせていただき、その思いを改めて強くしました。

練習場では上手く打てるのにコースに行くと……という読者の方も多いはず。練習場シングルと呼ばれる現象ですが、その原因のひとつが練習場の打席はフラットなこと。打席でバランス良く立てても、傾斜地では上手く立てないからです。

同時に多くのアマチュアは、練習場で真っすぐの球ばかり打とうとします。そして真っすぐ打ったつもりが、右に左にと曲がり、首を傾げている人も少なくありません。

スライスに悩んでいるのであれば、どフックを打ってみればいいのです。その中間に真っすぐのボールはあります。曲がるボールは、スタンスの向きやスイングプレーンなど、色んな要素で決まります。しかし、ここで見落としがちなのがバランスです。

そこでボクが提唱したいのは、アンバランスな立ち方で打つこと。たとえば、カカト体重で打ったら次はツマ先体重で打ってみる。今度は左足体重で打ってみる。もちろん、スイング中はそのアンバランスをキープして打ってください。

カカト体重で打てば、必ずボールがこう曲がるとは言い切れません。しかし、自分のスイングの特徴によって、カカト体重ならこういうボールが出る……といった傾向は分かるはず。極端に左右の体重比を9:1、8:2……と変えていけば、さらにその傾向ははっきりすることでしょう。ちなみにアプローチの練習では、50ヤードを50cm曲げる練習を、プロや研修生にはやらせています。

スイング中にバランスを崩さない打ち方を身に付けるには、バランスディスクに乗っての素振り、ボールを打つ練習が効果的です。往々にしてアマチュアの皆さんはフルスイングしか練習しません。

バランスディスクの上で、バランスを崩さないように振ることは、スイングを作る上でも効果的です。また、ボールやタオルを踏むなどしてツマ先下がり&上がり、左足下がりなど打席で傾斜を作って打つと、実戦的な練習につながると思います。

実際にコースに行ったら、打つ前に二、三度ジャンプ。それにより傾斜地に合ったバランスの良い立ち方ができるはずです。あとは足裏で体重配分を意識し、どんなボールが出るかをイメージしてみましょう。

オーガスタでは、マスターたちが瞬時にそれをやっているのです。そして、それを攻略できた者にだけ、グリーンジャケットの着用が許されるのです。

■辻村明志
つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。上田桃子らのコーチを務め、プロを目指すアマチュアも教えている。2025年は千田萌花と藤本愛菜をプロテスト合格に導いた。読売ジャイアンツの打撃コーチとして王貞治に「一本足打法」を指導した荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフの指導に取り入れている。元(はじめ)ビルコート所属。

※『アルバトロス・ビュー』917号より抜粋し、加筆・修正しています

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