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姿勢が悪いから手打ちになって飛ばない 上田桃子も実践していた「背中を大きく使う」練習とは?【四の五の言わず振り氣れ】

昨年でツアーから撤退した上田桃子やルーキー・六車日那乃などを輩出する「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。1日3分スイングが激変する練習があるという。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年8月31日 09時15分

昨年でツアーから撤退した上田桃子やルーキー・六車日那乃などを輩出する「チーム辻村」を率いるプロコーチの辻村明志氏。1日3分スイングが激変する練習があるという。

【写真】手上げ、手打ちとは無縁! 昨年ツアー撤退した上田桃子のダイナミックなスイング

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スイングにおいて、大きな背中はとても重要なもの。スイングのエネルギーは、上半身と下半身の捻転差によって生まれます。エネルギーはこの捻転差に比例し、大きくなればなるほど飛距離は伸び、ボールにキレが生まれます。

これを逆の視点から見てみましょう。背中の丸まった猫背のアドレスでは、なかなか大きなトップを作れません。捻転差が生まれないからです。この状態でトップを高くしようとすれば、オーバースイングになるしかなく、これが手上げ、手打ちの原因にもなっています。こういうアマチュアは少なくありません。

姿勢の悪さや力みが、上達を阻害しているのです。背中を大きく使えることこそ、スイングのエネルギーを生み出す要因となるのです。アマチュアは手の動く量が大きく、プロは手の動く量が小さい。しかし、プロは上体が大きく動いているから、大きな捻転差が作れるとも言えます。

背中を大きく使って、より大きな捻転差を作るために、宮崎の合宿では用意してもらった竹で練習させたものです。具体的には両腕を大きく開いて竹を横に持って振らせたり、やはり両手の間隔を明けて竹をタテに持って振らせたりもしました。腕を伸ばすことで、背中が大きく使えるからです。

しかし、竹を持ち運ぶのは現実的ではありません。そこでホームセンターで見つけたのが、塩化ビニール製のパイプ。これをつなぎ合わせて作ったのが“辻村棒”と呼ばれる練習器具でした。練習器具のDIYです。

この練習器具は背中を大きく使って最大捻転差を生み出す効果があります。T字型の器具を両ワキに挟んでグリップして、素振りをします。背中の大きな筋肉を使うことを覚え、同時に下半身の粘りを感じることで、より大きな捻転差が作り出せます。さらに、腕の長さが一定のため、手上げや手打ちの防止にもなります。

(上田)桃子は辻村棒でラウンド前などに、トップを作って左足で踏み込む動作を繰り返してから、スタートしていました。その素振りで背中にハリを感じられれば、捻転差のあるトップが作れます。その状態から、上体を右に向けて下半身から切り返せると、最大捻転差を作り出せるのです。

コーチングをしていてつくづく感じるのは、「手で覚えたものはすぐに忘れる」ということです。小手先という言葉がありますが、その場しのぎの技術ではゴルフの上達は期待できません。では、技術はどこで身に付ければいいかといえば、体の中心である幹であり、体そのものです。

手は“上体の回転に付いて動くもの”をマスターできれば、手上げ、手打ちの防止につながります。

辻村棒がない場合は、1本のクラブを両腕を大きく開いて持ち、上体を大きく回して素振りをしましょう。スタート前にこれで体を動かすだけでも、その日のスコアは変わるはずですよ。まして、1日3分、練習に加えれば、あなたのスイングは激変するはずです。

■辻村明志
つじむら・はるゆき/1975年生まれ、福岡県出身。上田桃子、六車日那乃らのコーチを務め、プロを目指すアマチュアも教えている。読売ジャイアンツの打撃コーチとして王貞治に「一本足打法」を指導した荒川博氏に師事し、その練習法や考え方をゴルフの指導に取り入れている。元(はじめ)ビルコート所属。

※『アルバトロス・ビュー』869号より抜粋し、加筆・修正しています

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