今やドライバーのヘッドにカーボンを使うのは当たり前だが、最新モデルはカーボンの使用量が桁違いに多いものが増えている。ただ、昔ながらのフルチタンの打感が好き、というゴルファーも多い。そこでそれぞれの代表的なドライバーを紹介しながら、最新クラブをどう選んだらよいか考えてみよう。
市場で最も売れているドライバーのひとつ、キャロウェイのパラダイムシリーズは、クラウンとソールを全てカーボンにすることで、重量の大部分をヘッド前後に分散。慣性モーメントがアップし、打点がズレても初速が落ちないと評判だ。またテーラーメイドのステルス2シリーズは、フェース自体が前作に続いてカーボン、フェースのフレームとバックウェイト以外もカーボンにしてエネルギー伝達効率がアップしている。ブリヂストンのB3 SDはフェースとバックウェイト以外をカーボンにして最大級の慣性モーメントを実現。重さの違う素材を使うことで重量配分の自由度を上げられるのがカーボンのメリットだ。
しかし、フルチタンも負けてない。最近はチタンの加工技術が進化。松山英樹が使うスリクソンZX5 MkⅡはヘッドの硬さを部分的に変えて最適にヘッドをたわませ、高初速の飛びを実現している。この技術はリバウンドフレームMk2と呼ばれ、フェースのたわみ戻りのスピードとボールが潰れてから復元するまでのスピードを一致させることで初速を上げているというから驚きだ。またピンのG430MAXは、方向安定性はそのままに、フルチタンならではの心地よい打感と振り抜きの良さが特徴で、こちらも売り上げ絶好調。タイトリストのTSRシリーズは操作性の高さに優れていて、極端な重量配分を行わず、アスリートがイメージしやすい弾道が打てることを重視した設計になっている点に、メーカーの思想が表れている。
最新ドライバーのもうひとつの傾向が、軽量モデルの充実だ。数年前から総重量300グラム以下のドライバーが増えているが、今年は特に粒ぞろいだ。例えばピンのG430シリーズは方向安定性に定評があるが、300グラムを超える重さと慣性モーメントの大きさがシニアや非力なゴルファーにはハードに感じられていた。そこで登場したのが270グラム台のG430HL MAX。方向性の良さはそのままに、ヘッドスピード38m/s以下でもラクに振り抜ける。加えて最新の軽量モデルはシャフトが進化していて、ヘッドスピード40m/s前後の人が振っても球がバラついたり、当たり負けしたりがない。最近、飛距離が落ちてきたと感じている人は、確実にヘッドスピードが上がる軽量クラブも試してみる価値アリだ。
この夏は、カーボン、チタンという素材面と、ドライバーの重量に着目してそれぞれのクラブの特性を見極めドライバーを選ぶのも楽しみのひとつだ。
この夏、最新ドライバーはどれを選んだらいい?
2023年上半期も終わり、ドライバーの売り上げや評判もひと段落ついたところだ。トピックスとしてはカーボン素材のドライバーが躍進した感もあるが、フルチタンのドライバーも進化している。まだ今年、クラブを新調していない人は今後の参考にしてほしい。
配信日時:2023年7月5日 07時00分
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