昨季、念願のツアー初優勝を果たした勝俣陵。アイアンにはヘッドの番手ずらしを採用し、ドライバーはアマチュアが使うようなヘッドを選択している。その詳細を取材した。
勝俣が使用するドライバーは『タイトリスト GT1』(9度)に『ベンタスブルー 7X』シャフトを装着。どこを気に入っているのだろうか。
「一番大きいヘッドを選んでいます。他のモデルは重心が前にあるものが多いのですが、僕は元々スピンがあまり入らないので、ドロップしたり曲がったりします。これは重心が後ろで、鉛も貼っているので高弾道でスピンもしっかり入る。一番つかまりやすく、簡単なので使っています」
『ベンタスブルー 7X』シャフトにも厚い信頼を寄せる。
「しなりすぎるのも好きじゃないし、スイング的にも効果的に振れないので、しなり過ぎない真ん中のクセのないシャフトを使っています。60gだと少しスピンが増えたので、70gを選びました」
勝俣のセッティングで特に独特なのが、アイアンヘッドの番手ずらしだろう。5I~9Iに『タイトリスト 620MB』を採用し、『DG EX TOUR ISSUE』を組み合わせて使用。すべてのロフトを少し寝かせて、1つ下の番手として使っている。
「もっと自分に合った弾道を打ちたいと思って、ヘッドを改良しました。ロフトを少し寝かせるようにしています。構えたときに真っすぐ目標を向く顔が好きで、少しかぶって見える顔は苦手なんです。かぶっていると、逃がす動きが入るのが嫌なんです」
つかまる顔で持ち球のドローを打とうとすると、スイング的に逃がす動作が必要になる。“逃げ顔”で、スイングで球をつかまえるのが理想だという。
「7番のロフトを寝かせると、リーディングエッジが前に出て、ストレートネックになって構えやすくなります。ただ、その分バンスが出るので、邪魔な部分を削りました。バンスを削ったことで重量が減ったため、鉛をしっかり貼って重量調整を行っています」
ただ、それだけだとスピンが足りなくなったため、リーディングエッジ側のソールも少し削った。結果的にソールの抜けが良くなり、打点も上目から芯に近い位置になり、スピン量が安定したという。
60度だけは、ほかの番手で使う『SM10』ではなく、『ボーケイ フォージド』を使用している。
「これも打ったときのフィーリングで決めました。若干グースが入っているのが気に入っています。少しでも柔らかい球を打ちたいので……。グースネックだと球が遅れて当たり、つかまりながらスピンも入る。フワッとした球も打てるんです」
他のプロのように、ソールのトゥ・ヒールを落としている痕は見当たらない。「バンスがあった方が滑ってくれて、刺さりづらい。僕はコロがしが多いので、バンスがあっても影響はないですね」と語る。
独特なセッティングに仕上げて初勝利を飾った勝俣。今季のショットにも注目したいところだ。
【勝俣のクラブセッティング】
1W:タイトリスト GT1(9度/ベンタスブルー7X)
3W:テーラーメイド Qi35(16.5度/ベンタスブルー7X)
7W:テーラーメイド Qi35(21度/ベンタスブルー8X)
3I:タイトリスト T100フォージド(HZROUS)
5~9I:タイトリスト 620MB(DG EX TOUR ISSUE)
46・52・56度:タイトリスト ボーケイSM10(DG EX TOUR ISSUE)
60度:タイトリスト ボーケイフォージド(DG EX TOUR ISSUE)
パター:ホワイトホットOG ♯7CH
ボール:タイトリスト プロV1x
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