さほどヘッドスピードは速くないが、キャリー効率は1位。
「ラーム選手は、確かに左手甲を折るという意味ではトレビノ選手に似ていますよね。トレビノ選手は左手甲を折るタイプの走りですが、ラーム選手は同時代に活躍した、レイモンド・フロイドに似ていると感じますね。コンパクトトップで本当は振ろうと思えば飛ばせるパワーを持っているのに、限界までは振らずにコントロールする老獪なタイプに感じます」(筒康博)
また、ラームには決定的な弱点もあるとToshi HIRATAは指摘する。
「全米オープン初日のプレーが一番顕著ですが、やっぱり若手プレーヤーならではの精神的な幼さを感じますよね。すぐ感情が表に出てしまって、アンガーマネジメントが出来ていない“子供”だと思います。調子に乗ると手がつけられないタイプでスコアが爆発しますが、イライラし始めると脆く、自滅してしまう。この辺りが改善してくれば、本当の意味でのトッププロの仲間入りが出来るのではないでしょうか」(Toshi HIRATA)
現在、世界ランキングは11位のラーム。全米オープンでの苦い失敗を経て、今回の「アイリッシュ・オープン」ではどんなプレーを見せるのか。格上かつ大人なプレーが特徴の松山英樹と、ホストプロのローリー・マキロイの前で、“スコアの”爆発を見せて欲しいものである。
Text/Mikiro Nagaoka