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ホントに名器『GREEN』を超えたのか? 最速&最強の『GOLD』の実力を検証!

2014年以降、日本女子ツアー使用率No.1を継続しているフジクラ。そのはじまりは同年に発売した初代『スピーダーエボリューション』。21年から『スピーダーNX』にアップデートするとさらに使用者が増え、今では約40%という圧倒的な使用率を誇っている。歴代『スピーダーシリーズ』でも名器と言われているのが、山下美夢有や古江彩佳が使い続けている『スピーダー NX GREEN(以下、GREEN)』。今年の『スピーダー NX GOLD(以下、GOLD)』は『GREEN』の後継タイプということもあり注目度が高い。その実力を理論派コーチと若き人気選手にチェックしてもらった。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年9月11日 12時00分

人気コーチと気鋭の女子選手がフジクラの新作をチェック!
人気コーチと気鋭の女子選手がフジクラの新作をチェック!

『GREEN』より速くて、『VIOLET』より強い、史上最高の『GOLD』


最初に『GOLD』が話題になったのは6月の「宮里藍 サントリーレディス」だった。この試合ではじめて『GOLD』を投入した岡山絵里がいきなり優勝争いをして、今季最高の2位に入った。岡山だけではなく、メルセデス・ランキング5位と好調の神谷そらをはじめ、阿部未悠や脇元華などシード選手が続々と『GOLD』を投入。発売前から女子ツアーでは10人以上の選手が使っており、9月5日~7日に開催された「ゴルフ5レディス」でツアー初優勝を挙げた荒木優奈もこのシャフトを使用していた。

ツアールーキーの荒木優奈は「スピーダーNXゴールド」でツアー初優勝を挙げた

ツアールーキーの荒木優奈は「スピーダーNXゴールド」でツアー初優勝を挙げた (撮影:GettyImages)

左上から時計回りに神谷そら、岡山絵里、阿部未悠、脇元華。女子ツアーではすでに多くの選手たちが実戦に投入している

左上から時計回りに神谷そら、岡山絵里、阿部未悠、脇元華。女子ツアーではすでに多くの選手たちが実戦に投入している (撮影:GettyImages)

さっそく、今季のマイナビネクストヒロインツアーで優勝した長田莉子選手とベテランツアープロコーチの堀尾研仁コーチに実際のコースで『GREEN』『GOLD』を打ち比べてもらった。トラックマンで計測すると、明らかに違ったのはクラブスピード(ヘッドスピード)。長田選手は0.7m/s、堀尾コーチは0.8m/sも速くなった。
 
「もちろん『GREEN』もクセがなくて振りやすいけど、『GOLD』は振りやすさにプラスしてインパクトゾーンの加速感がすごい。ハーフウェイダウンからインパクトにかけてのしなり戻りが力強くなっていました」(堀尾)
 
長田選手は『GOLD』で250ヤードオーバーを連発していた。

「ヘッドスピードも上がりますし、1球目で芯に当たるくらい振りやすかったのでボールスピードが速い。250ヤードはひとつの目標だったので、この数字は嬉しいです」(長田)
 
2人の試打結果を見るとヘッドスピードが上がっただけではなく、ミート率も向上して、ボールスピードは1m/s以上アップしていた。その結果、長田選手が6.6ヤード、堀尾コーチは3.6ヤードも飛距離が伸びた
 
「女子ツアーで6ヤード伸びるのは大きいですね。セカンドショットの番手が変わる可能性があります」(堀尾)
 
ちなみに長田選手は今季の試合で『VIOLET』を使っているが、その違いについては?
 
「昨年の『VIOLET』も挙動が安定しているので気に入っているのですが、同じような安定感が『GOLD』にもあって、さらに力強くなった印象。女子ツアーの選手がすぐ使いはじめる理由がわかりました。本当に使いやすいシャフトです」(長田)
 
結果が良くなったのはトラックマンの数字だけではない。2人が打った打球はほとんどがフェアウェイに残っていて、着弾範囲が狭くなっていた。

ながた・りこ/2002年生まれ、三重県出身。今季はルーキーとしてマイナビネクストヒロインツアーに参戦すると出場2試合目で優勝。
上がトラックマンで計測した『GOLD』の試打データ。長田選手はヘッドスピード、ボールスピード、ミート率が上がり、キャリーで3ヤード、トータル6ヤード伸びた 
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ながた・りこ/2002年生まれ、三重県出身。今季はルーキーとしてマイナビネクストヒロインツアーに参戦すると出場2試合目で優勝。
ほりお・けんじ/1971年生まれ、岐阜県出身。デビッド・レッドベターのスイング理論を学び、2002年以降はツアー帯同コーチとして数多くのトップ選手を指導
上が『GOLD』のデータ。ヘッドスピード43m/s前後の堀尾コーチも、さらにヘッドスピードが0.8m/sアップ!
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ほりお・けんじ/1971年生まれ、岐阜県出身。デビッド・レッドベターのスイング理論を学び、2002年以降はツアー帯同コーチとして数多くのトップ選手を指導

第2のバイアス層でしなりとトルクの“黄金比率”に!

計測は最新のトラックマン4を使って、上総モナークCCの10番ホールで弾道データを計測した

計測は最新のトラックマン4を使って、上総モナークCCの10番ホールで弾道データを計測した

ヘッドスピード、ボールスピード、そして飛距離が伸びた『GOLD』。その要因はどこにあるのか? 開発担当の高橋慶吾さんに話を聞くと、 「新作の『GOLD』は『NXシリーズ』を象徴するテクノロジー『VTC(バリアブル・トルク・コア)』を継承していることで中間から先端側のトルクを抑えて挙動を安定させています。さらに前作の『VIOLET』でも評価が高かった『DHX』を搭載してヘッドスピードアップを実現。『DHX』は独自の第2バイアス層によってスピード感を出しながら、ねじれにくさを向上させる最新技術です」(高橋)
 
試打をした2人も、ねじれない印象を感じていた。
 
「ミスヒットしたときにシャフトがねじれにくく、フェースが開いたり閉じたりする度合いが小さい。方向性もズレないし、飛距離のロスが少なかった」(堀尾)
 
「打点がズレたときでもインパクトで当たり負けしない。ミスヒットしたときも上手くごまかせそう(笑)」(長田)
 
『NXシリーズ』では初代『BLUE』からトルクを抑えつつ、スピードを上げる開発を続けてきたが、『GOLD』ではついにその黄金比率を実現している。

一般的なカーボンシャフトは0度、90度のカーボンシートの積層に45度のバイアス層を入れているが、『GOLD』では45度以外の角度で第2のバイアス層を入れている

一般的なカーボンシャフトは0度、90度のカーボンシートの積層に45度のバイアス層を入れているが、『GOLD』では45度以外の角度で第2のバイアス層を入れている

クセのないしなりは万人向き!ヘッドスピード42m/s前後は1番合う

「少し振り遅れたかなと思ったときでも当たり負けしないので、薄い当たりになりません」(長田) 「ヒールに当たっても先端がしっかりしているのでフェースが開かず、ほぼストレートボールでした」(堀尾)

「少し振り遅れたかなと思ったときでも当たり負けしないので、薄い当たりになりません」(長田) 「ヒールに当たっても先端がしっかりしているのでフェースが開かず、ほぼストレートボールでした」(堀尾)

女子ツアーでの評価が特に高い『GOLD』だが、アマチュアゴルファーではどんなタイプと相性が良いのか?
 
「クセがないので、どんなタイプのスイングにもマッチする万人向けのシャフトです。そこは『GREEN』と似ています。先端がしっかりしているので『ベンタスシリーズ』に近いフィーリングもありました。ヘッドスピード41〜42m/sくらいで『あと一歩でベンタスが打ちこなせない人』たちにもピッタリだと思います」(堀尾)
 
長年、フジクラシャフトを使ってきた長田選手は、「私自身もトラックマンでヘッドスピードが上がったことにすごく驚いたので、ヘッドスピードが落ちてきたシニアゴルファーにもオススメです」(長田)
 
ちなみに2人とも、ピン社のドライバーを使っていた。
 
「先端のねじれを抑えているので大慣性モーメント系のヘッドとは絶対相性がいい」(堀尾)
 
「10Kのヘッドと組み合わせると本当に曲がりません」(長田)
 
『GREEN』から進化しているだけではなく、最新ドライバーとの相性もばっちり。大慣性モーメントヘッドとのバランスも黄金比率か!?

「昨年の『VIOLET』が少し硬く感じた人は『GOLD』の方が打ちやすいと思います」(長田)「ヘッドスピード45m/s以上なら『ベンタス』がいいと思うけど、あと一歩で届かない人に『GOLD』はオススメ」(堀尾)

「昨年の『VIOLET』が少し硬く感じた人は『GOLD』の方が打ちやすいと思います」(長田)「ヘッドスピード45m/s以上なら『ベンタス』がいいと思うけど、あと一歩で届かない人に『GOLD』はオススメ」(堀尾)

シャフトバリエーションは40グラム台前半のR2から70グラム台のXまで13種類をラインナップ。女子ツアーでは『50SR』『50S』が人気!

シャフトバリエーションは40グラム台前半のR2から70グラム台のXまで13種類をラインナップ。女子ツアーでは『50SR』『50S』が人気!

SPEEDER NX GOLD

(SPEC)
●重量・フレックス/40(R2、R、SR、S)、50(R、SR、S、X)、60(SR、S、X)、70(S、X)
●トルク/4.6(50S)
●調子/中
●価格/4万9500円(税込)
 
撮影協力:上総モナークカントリー倶楽部 写真:田中弘幸 文・構成/野中真一

※この試打の模様は動画でもご覧いただけます!⇩をチェック!


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