『GREEN』より速くて、『VIOLET』より強い、史上最高の『GOLD』
最初に『GOLD』が話題になったのは6月の「宮里藍 サントリーレディス」だった。この試合ではじめて『GOLD』を投入した岡山絵里がいきなり優勝争いをして、今季最高の2位に入った。岡山だけではなく、メルセデス・ランキング5位と好調の神谷そらをはじめ、阿部未悠や脇元華などシード選手が続々と『GOLD』を投入。発売前から女子ツアーでは10人以上の選手が使っており、9月5日~7日に開催された「ゴルフ5レディス」でツアー初優勝を挙げた荒木優奈もこのシャフトを使用していた。
さっそく、今季のマイナビネクストヒロインツアーで優勝した長田莉子選手とベテランツアープロコーチの堀尾研仁コーチに実際のコースで『GREEN』と『GOLD』を打ち比べてもらった。トラックマンで計測すると、明らかに違ったのはクラブスピード(ヘッドスピード)。長田選手は0.7m/s、堀尾コーチは0.8m/sも速くなった。
「もちろん『GREEN』もクセがなくて振りやすいけど、『GOLD』は振りやすさにプラスしてインパクトゾーンの加速感がすごい。ハーフウェイダウンからインパクトにかけてのしなり戻りが力強くなっていました」(堀尾)
長田選手は『GOLD』で250ヤードオーバーを連発していた。
「ヘッドスピードも上がりますし、1球目で芯に当たるくらい振りやすかったのでボールスピードが速い。250ヤードはひとつの目標だったので、この数字は嬉しいです」(長田)
2人の試打結果を見るとヘッドスピードが上がっただけではなく、ミート率も向上して、ボールスピードは1m/s以上アップしていた。その結果、長田選手が6.6ヤード、堀尾コーチは3.6ヤードも飛距離が伸びた。
「女子ツアーで6ヤード伸びるのは大きいですね。セカンドショットの番手が変わる可能性があります」(堀尾)
ちなみに長田選手は今季の試合で『VIOLET』を使っているが、その違いについては?
「昨年の『VIOLET』も挙動が安定しているので気に入っているのですが、同じような安定感が『GOLD』にもあって、さらに力強くなった印象。女子ツアーの選手がすぐ使いはじめる理由がわかりました。本当に使いやすいシャフトです」(長田)
結果が良くなったのはトラックマンの数字だけではない。2人が打った打球はほとんどがフェアウェイに残っていて、着弾範囲が狭くなっていた。
第2のバイアス層でしなりとトルクの“黄金比率”に!
ヘッドスピード、ボールスピード、そして飛距離が伸びた『GOLD』。その要因はどこにあるのか? 開発担当の高橋慶吾さんに話を聞くと、 「新作の『GOLD』は『NXシリーズ』を象徴するテクノロジー『VTC(バリアブル・トルク・コア)』を継承していることで中間から先端側のトルクを抑えて挙動を安定させています。さらに前作の『VIOLET』でも評価が高かった『DHX』を搭載してヘッドスピードアップを実現。『DHX』は独自の第2バイアス層によってスピード感を出しながら、ねじれにくさを向上させる最新技術です」(高橋)
試打をした2人も、ねじれない印象を感じていた。
「ミスヒットしたときにシャフトがねじれにくく、フェースが開いたり閉じたりする度合いが小さい。方向性もズレないし、飛距離のロスが少なかった」(堀尾)
「打点がズレたときでもインパクトで当たり負けしない。ミスヒットしたときも上手くごまかせそう(笑)」(長田)
『NXシリーズ』では初代『BLUE』からトルクを抑えつつ、スピードを上げる開発を続けてきたが、『GOLD』ではついにその黄金比率を実現している。
クセのないしなりは万人向き!ヘッドスピード42m/s前後は1番合う
女子ツアーでの評価が特に高い『GOLD』だが、アマチュアゴルファーではどんなタイプと相性が良いのか?
「クセがないので、どんなタイプのスイングにもマッチする万人向けのシャフトです。そこは『GREEN』と似ています。先端がしっかりしているので『ベンタスシリーズ』に近いフィーリングもありました。ヘッドスピード41〜42m/sくらいで『あと一歩でベンタスが打ちこなせない人』たちにもピッタリだと思います」(堀尾)
長年、フジクラシャフトを使ってきた長田選手は、「私自身もトラックマンでヘッドスピードが上がったことにすごく驚いたので、ヘッドスピードが落ちてきたシニアゴルファーにもオススメです」(長田)
ちなみに2人とも、ピン社のドライバーを使っていた。
「先端のねじれを抑えているので大慣性モーメント系のヘッドとは絶対相性がいい」(堀尾)
「10Kのヘッドと組み合わせると本当に曲がりません」(長田)
『GREEN』から進化しているだけではなく、最新ドライバーとの相性もばっちり。大慣性モーメントヘッドとのバランスも黄金比率か!?
SPEEDER NX GOLD
(SPEC)
●重量・フレックス/40(R2、R、SR、S)、50(R、SR、S、X)、60(SR、S、X)、70(S、X)
●トルク/4.6(50S)
●調子/中
●価格/4万9500円(税込)
撮影協力:上総モナークカントリー倶楽部 写真:田中弘幸 文・構成/野中真一
※この試打の模様は動画でもご覧いただけます!⇩をチェック!