今秋のゴルフ界で、プロ・アマ問わずに最も熱い視線を集めているドライバーといえば、スリクソン『ZXi RKT(ロケット)』シリーズだろう。
早くから実戦投入した畑岡奈紗が「ロケットのような初速と振り抜きが気に入っています」、松山英樹が「本当に曲がらないし、初速も出る」と絶賛すれば、全英オープン覇者のライアン・フォックスも「今までのドライバーで一番飛ぶ」と太鼓判を押す。さらに国内女子ツアーでも多くの選手が投入し、早くも絶大な信頼を寄せている。
なぜこれほどまでにプロたちが絶賛するのか? ジュニアや若手の頃から長年スリクソンを愛用してきたツアープロの市原建彦に、トラックマンでの5打点試打を実施してもらい、その驚くべき進化を徹底検証した。
■ プロ間で「今年のスリクソンはすごい」と噂に
「実は打つ前から、プロの間で『今年のスリクソンはすごい』という噂を聞いていたんです」。試打を始める前から期待に胸を膨らませていた市原だが、実際に『ZXi RKT』を打ち込むと、そのファーストインパクトの強さに圧倒されたという。
「今までのスリクソンで一番いい。ダントツです。想像以上に良くて本当にビックリしました。まず初速がとにかく速くて飛んでいる。トラックマンで計測すると、ミート率が1.5を超えてくるんです」
さらに市原が驚いたのは、芯を外したときの飛距離ロスと曲がりの少なさだ。「打点がズレたときでもスピン量が安定していて、打球の高さがほとんど変わらない。引き締まった心地よい打感も含めて、確実に進化しています」と、そのクオリティの高さを熱弁した。
その進化を客観的に証明するため、アマチュアゴルファーを想定したヘッドスピード42m/s前後に落としてもらい、前作『ZXi』と新作『ZXi RKT』の「5打点試打(センター、トゥ上、トゥ下、ヒール上、ヒール下)」を実施。市原の私物のトラックマン4で弾道を計測した。
■ データで判明!ミスヒット時の飛距離が異次元
計測の結果、5打点の平均飛距離は前作『ZXi』の240.8ヤードに対し、新作『ZXi RKT』は245.4ヤードを記録。全体で約4.6ヤードの飛距離アップを達成していた。
しかし、本当に注目すべきは数値の「安定感」だろう。センターヒット時の最長251ヤードの伸びもさることながら、芯を大きく外したショットでも距離の落ち込みが極めて少なかった。
「特にフェース上側というか、トウ上の打点に強いですね。ボール1個分くらい上目に外して打ったときでもスピンが減りすぎず、適正スピンで高さが出て飛びます。モデルによっては、トウ上で打ったときの方かセンターヒットより飛んだくらいです。ヒールヒット時の飛距離ロスも見事に抑えられていました」(市原)
打点が上下左右にズレても打球の高さやスピン量がブレないため、コースでの「大きなミス」を防いでくれる安心感があるという。
■ 薄肉「VR-チタン」×「バリアブルロール設計」の相乗効果
なぜこれほどまでにブレず、圧倒的な初速が出るのだろうか。その背景には、フェース素材と構造のドラスティックな見直しがあった。
まず、フェース素材には『ゼクシオ14』『同+』ドライバーにも使われている、軽量かつ超高強度の「VR-チタン」を採用。前作より1〜2gの軽量化と薄肉化に成功し、新設計のカーボンクラウン(リバウンドフレーム)と組み合わせることで、フェース全体のたわみ効果を最大化させた。
さらに、低重心&ディープフェース化に伴い発生しやすい「フェース上部での打球のドロップ」を防ぐため、新たに「バリアブルロール設計」を導入。ヒール側からトウ側上部にかけてロフト角とフェース向きを段階的に変化させることで、ミスヒット時でも適正なスピン量と高初速を維持する構造を創り上げた。この素材と設計の相乗効果こそが、オフセンターヒット時でもヘッドをブレさせず、強弾道を生み出す秘密だと市原はいう。
■ 「スリクソン=難しい」は過去の話!自分に合うモデルが必ず見つかる
今回の『ZXi RKT』シリーズは、性能面だけでなく「ターゲット層の広さ」においても大きな転換点を迎えている。かつて「スリクソン=上級者・アスリート専用」というイメージを抱いていたゴルファーも多いかもしれないが、市原は「今回は4モデルの個性がハッキリ分かれているため、どんなアマチュアゴルファーでも使える間口の広さがあります」と太鼓判を押す。
シリーズの軸となるコアモデル『ZXi RKT』は、寛容性と操作性のバランスに優れ、最も幅広いゴルファーに対応するオールラウンドな1本だ。打球の高さを出してミスを最小限に抑えたいなら深・低重心設計の『MAX』、吹き上がりを抑えて強いライナーで飛ばしたいなら低スピン仕様の『LS』、そして操作性を重視してシャープに振り切りたいなら450ccヘッドの『TR』と、目指す弾道や好みに合わせて明確に選び分けられるラインナップが揃っている。
「まずは基準となる『ZXi RKT』を試打してみて、高さを出したいなら『MAX』、抑えたいなら『LS』、振り抜きやすさを求めるなら『TR』と選んでいけば、必ず自分にベストマッチするスリクソンが見つかるはずです」(市原)
ツアープロを満足させる飛びと安定性を備えながら、アベレージゴルファーのミスにも優しく寄り添う『ZXi RKT』シリーズ。今秋、ドライバーの買い替えを検討しているなら、絶対に試打候補から外せない一本となりそうだ。
*撮影・相田克己、GettyImages
*取材協力・サザンヤードカントリークラブ