これが、スリクソン『ZX』ドライバー。『ATTAS DAAAS』との相性◎
田辺 いや、本当に良かったです。『ATTAS DAAAS』も良かったですが、『ZX』ドライバーもさすが松山英樹プロが太鼓判を押すモデルですね。
筆者 まずは『ATTAS DAAAS』だけど、田辺は全く曲がってなかったね。なんだろう、『ZX』ドライバーのせいなのか、シャフトのせいなのか、その両方だと思うんだけど。そう言えば、「フジサンケイクラシック」の初日、2日目と首位だった市原弘大が『ATTAS DAAAS』の6Xを今週から替えて絶好調みたいね。大MOIドライバーに合う先端剛性高めで、中間部までEI剛性が真っすぐになっていて、「誰でも叩ける」とのことだけども。
筆者 そう。オレも昔から黄色いアッタスは好きだったから、打ちやすかった。なんて言えばいいのかな、大MOIなのに、ラク? 『ZX5』ドライバーは左右MOIが5000g・cm2を越えるデカヘッドなんだけど、意外につかまるというか、俊敏にヘッドを返せるフィールがあったね。松山英樹は「振り感がいい」とコメントしてるようだけど、よく外ブラにありがちな大MOIで出球が右にズレる球が出づらかったのが一番印象に残ったかな。
叩けるダァーッスなのに、意外につかまる『ZX5』
筆者 うん。でも、『ATTAS DAAAS』の6SRで打ったじゃない、それもあるのかなと思う。松山英樹のシャフトはグラファイトデザイン『TOUR AD XC-8』のTXだから、シャフト次第で変わりそうだよね。あと、『ATTAS DAAAS』はなんとなく、カウンターバランスっぽいというか、大MOIなのに俊敏に返せるというか、意外に大MOIをつかまえる力を感じたね。「誰でも叩ける」というウリ文句は、どっちかというと小ぶりというかあまり慣性モーメントが大きくないヘッドの時のフィールかなと。
筆者 ボクも断然『ZX5』の方が好みの顔でした。なんだろう、どちらもフェースの切り方が柿を真っ二つにした感があって、フェースが平らというか、はっきりフェース向きが見えて、目標に合わせやすいんですけど、『ZX5』の方が鼻緒が大きく見えるからか、安心感と顔のバランスが良い気がしましたね。
田辺 ボクは『ZX7』も好きですけどね。っていうか、松山プロが今まで使っていた『SIM MAX』と比べてどう思います?
キーテクの「リバウンドフレーム」は?
筆者 そうそう、肝心の初速の部分、田辺はどうだった? 今作は「リバウンドフレーム」という硬い層と柔軟な層がサンドイッチされた構造で、これが初速を高めるみたいだけども。
田辺 ヘッドスピード46m/sのボクでも70m/s近く出てましたから、やっぱり弾きがいいと思いますよ。打った感じは打感が柔らかくて、吸い付くようなフィーリングがあるので、押せる感じと弾きが融合した感じのフェースですよね。ただ、ちょっとボクの中ではスピンが入りやすい気がしました。球も高いですし、6SRより硬めのシャフトで、ロフトも9.5度の方が飛ばせる気がしますね。
ダンロップも今回『ZX』シリーズを【シリアスゴルファーのために】と言ってるじゃない。【シリアスゴルファー】って、初めての表現じゃない?ガチの競技者をそう表現してるのかな……。オレ、ギアにはシリアスだけど、ゴルフに対してはエンジョイ派だから、【シリアスゴルファー】では決してないんだけども……。
田辺 説明しなくても、知ってますから! 確かに、松山プロの場合、特殊な好みを持っていてもおかしくないですよね。一般ゴルファーと求めるものが同じとは思えないというか。
筆者 そう。『ZX』シリーズは、ボールを押す力が強い人ほど、リバウンドフレームが効いてくるイメージだと感じたね。そんなに球を潰したり押すわけじゃない人にとっては、『ZX5』は弾きと高弾道とつかまりをラクに与える、使い手によって二面性を持つドライバーじゃないかな。
田辺 ボクは後者で、とってもラクでした!
Text/Mikiro Nagaoka
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