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明暗分けた14番 畑岡奈紗は逃げ切りならず「あそこで勝負が決まってしまった」

畑岡奈紗は悲願のメジャーVならず。14番パー5でのボギーを悔やんだ。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2023年7月10日 11時37分

一度は手中にあったメジャーVだが…。畑岡奈紗は14番でのボギーを悔やんだ。
一度は手中にあったメジャーVだが…。畑岡奈紗は14番でのボギーを悔やんだ。 (撮影:ALBA)

<全米女子オープン 最終日◇9日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>

悲願達成に向けて―。後続に1打差の単独首位で日曜日を迎えた畑岡奈紗。同じ最終日最終組で回ったアリセン・コープス(米国)との攻防戦は、前半の9ホールを終えてトータル7アンダーで並んでいた。

大ギャラリーが畑岡のプレーを見守ったが…【写真】

「バックナインからが勝負だなというふうには、自分でも思っていた」とさらにギアを入れた10番。アリセンがフェアウェイからの2打目を手前2.5メートルにつけてバーディで1打差に。12番では6メートルのパッティングをセーブしたアリセンに対し、畑岡は左奥のカラーから3パットのボギーで2打差がついた。

なにが起こるかわからないペブルビーチでは、残り6ホールの2打差はもちろん射程圏内。だが、14番で一気に明暗が分かれた。

491ヤードのパー5。ドライバーでのティショットはともにフェアウェイを捉えた。飛距離もほぼ同じで並んだ2打目は、ともにグリーン手前にレイアップし、3打目勝負を選択した。だが、残り69ヤードから畑岡は「若干アゲンストの風で読んでいたのと、アップヒルなのでスピンで少し戻ると思っていた」と右奥に落として戻すイメージだったが、「強めのドローのショットが行ってしまって、思ったより距離が出たのと風に当たらなかった」とグリーン左のラフにこぼした。

一方のアリセンは、残り49ヤードから2メートルにオン。これを決めてバーディとしたが、畑岡はアプローチが3メートルショートと寄らず入らずのボギーを喫した。「獲りたい14番で落としてしまった。あそこで勝負が決まってしまった」と、差が4打と開き、ここでほぼ決着がついた。

「14番が物語っている。ああいったショットでチャンスにつけていくことが、課題だと思います」と悔やんだ。バーディ数は今季ここまで『168』個でツアー2位につけている。「それでも勝てていないのは、セーブができていないところもある」と分析する。最終日のストローク・ゲインド・アプローチは『-1.13』で55位、パッティングは『-2.55』で69位だった。

16、17番を連続ボギーとして「76」でホールアウト。トータル3アンダーと4つ落とし、首位と6打差の4位タイに終わった。「いやー、やっぱり悔しいですね」。その言葉に様々な思いが詰まっていた。

それでも、これまでで一番近くに感じたメジャーのタイトル。「本当に近くまで来ている感覚はある」と、ペブルビーチでの悔しさを決して忘れずに、次のメジャーに向けて前を向く。(文・笠井あかり)

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