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「職業病だし」握りを戻して世界一決定戦へ 渋野日向子がベースボールから“通常”グリップに逆戻り

渋野日向子が、握りをベースボールグリップから再びインターロッキングに戻して全米女子オープンに臨む。

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2023年7月6日 12時01分

慣れ親しんだインターロッキングでペブルビーチと勝負! 渋野日向子の“職業病”との駆け引きは続く
慣れ親しんだインターロッキングでペブルビーチと勝負! 渋野日向子の“職業病”との駆け引きは続く (撮影:ALBA)
ペブルビーチで撮影!握りを戻した渋野日向子のドライバー連続写真
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ペブルビーチで撮影!握りを戻した渋野日向子のドライバー連続写真 (撮影:ALBA)

<全米女子オープン 事前情報◇5日◇ペブルビーチGL(米カリフォルニア州)◇6509ヤード・パー72>

6月に出場した日本ツアーの「宮里藍 サントリーレディス」で、10本の指すべてで握るベースボールグリップに変更した渋野日向子が、再び通常の握りに戻した。「全米女子オープン」の練習ラウンドで確認されていたが、開幕前日に渋野自身がその理由を説明した。

左手親指から手首にかけて痛めるのは、ゴルファーならよくあること。長期離脱をする者、すぐに治療する者と様々だが、渋野は試合に出場しながら痛みが引くのを待った。通常の握りでは左手親指をグリップの上に乗せて、その上から右手をかぶせるが、そうすることによってトップやフォロースルーで左手親指の付け根に負担がかかることになる。これはどのゴルファーにも共通する現象。渋野はその打開策を探った。

両手が絡まないグリップの懸念点として、慣れないうちは一体感が失われてしまう。そのため、「これ(元)のほうがコントロールしやすい」と馴染んだものに戻し、メジャーで勝負することを決めた。「職業病だし」と、今後も付き合っていかなければならない痛みとは、改善方法を探りながらうまく折り合いをつけるしかない。

腕に力が入ったり、グリッププレッシャーが強すぎれば負担が増す。「ここに痛みが出るということはすごく力が入ってしまっているということ。そのぶん体が使えていなかったと思う」。スイング時の体の使い方によっては、より負担が軽減されると考える。そんなことが分かったことも、2週前に「湧かない」と話していたスイングのイメージを回復することに一役買う。

今週からは左手人差し指と右手小指を引っかけるインターロッキングに戻り、さらには力みをなくし、体全体でスイングすることを心がける。「この先長いので、これからのことを考えれば痛みが出ないようなスイング作りというのはしないといけない」と長期的な視野で考える必要性を説く。一時的に取り入れたベースボールグリップは、成功する選手がいる一方で、渋野にとっては「これでずっとやっていくのはきつかった」というものだっただけに、すぐに軌道修正。進む道が見つかったことを前向きに捉える。

いいと思ったことを取り入れ、よりいい物にスイッチしていくのは、「試合でやらないと分からない」とあえて立ち止まることなく選んだ道。前戦のメジャー大会「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」ではベースボールグリップで臨み、予選落ち。今回は元に戻してのメジャー大会となるが、結果と同時に、道しるべとなる方向性を探っていく旅はこれからだ。(文・高桑均)

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